2017 Fiscal Year Research-status Report
上肢・体幹運動による有酸素運動の下肢末梢循環に与える影響
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16K01459
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
渡部 一郎 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (50241336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長門 五城 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (20457740)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 有酸素運動 / 上肢体幹運動 / ノルデック杖歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
歩行による有酸素運動が推奨されてきたが、最近の下肢血流障害による切断例の増加が社会問題となっている。同じ歩行速度(時速5km)で通常歩行、ノルディックポール歩行をした場合、同じ歩行速度ではあるがノルディックポール歩行は常に通常歩行より運動強度が増加することが示された。したがってノルディックポール歩行では、運動強度、総運動量の増加を示し、下肢(足指)の皮膚温は有意差はないが低下した。この実験結果を元に、時速を統一するのではなく、運動強度を同じとなる歩行速度を設定し、ノルディックポール歩行の影響を検討した。すなわち、有酸素運動として時速5kmの通常歩行と、同じ運動強度となる時速4.5kmのノルディックポールを用いた上肢体幹運動を加えた歩行運動で比較した。この結果、脈拍数や運動強度では有意差が示されなかったが、ノルディックポールを用いた杖歩行運動では、歩行後15分後より徐々に下肢母指温が上昇し20分間の有酸素運動後半で、同じ運動強度の歩行運動(時速5km)より、有意の足母指皮膚温の改善が示された。同じ運動強度をする場合、単純な歩行運動よりノルディックポールを用いた上肢体幹運動を加えた歩行運動が末梢循環を改善することが示された。ノルディックポールを用いた運動は、高齢者にとり転倒予防効果もあり、また下肢足指への負担を減らし安全で効果的な有酸素運動を行える可能性があり、上肢体幹運動効果の推奨と、上肢運動、体幹運動それぞれの運動についての末梢循環の影響を検討する必要が示され、検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画にあわせた所定の成果を得た、研究3年目に追試する研究計画も考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
同一の運動強度での、杖歩行、腕振り歩行など上肢体幹運動と通常歩行の下肢血流変化を検討する。ノルディックポール歩行は、高齢者では転倒予防に有用であるが、健常者では歩行の妨げ、特にトレッドミル歩行など、運動経過の観察・記録・分析をする場合のデメリットも多い。先行研究で、杖の種類・腕振り強度・程度でも、VO2で示される運動強度は大きく変わることが示された。3年目は歩行時の腕振りの程度を定量化し、上肢体幹運動が下肢血流に与える影響を分析する予定である。
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Causes of Carryover |
披験者数が減少したため、また2年度に大型物品を購入したため
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Research Products
(4 results)