2016 Fiscal Year Research-status Report
ハイパーサーミア(温熱療法)による免疫チェックポイントの制御
Project/Area Number |
16K01482
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
古倉 聡 京都学園大学, 健康医療学部, 教授 (80347442)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ハイパーサーミア / 温熱療法 / PD-L1 / PD-1 / RT-PCR / FACS |
Outline of Annual Research Achievements |
今日のがん治療においては、免疫療法とくに免疫チェックポイント阻害剤の有効性が注目されている。そこで、本研究では、がん組織に浸潤したTリンパ球上のPD-1,およびがん組織上のPD-L1の発現に及ぼすハイパーサーミア(温熱療法)の影響を検討することを目的としている。初年度である、平成28年度は、がん組織上のPD-L1に及ぼすハイパーサーミア(温熱療法)の影響をin vitroで検討した。これは、もしもハイパーサーミア(温熱療法)により、がん細胞上のPD-L1の発現を負に制御できれば、高価な免疫チェックポイント阻害剤の使用量や投与間隔を減じることができる可能性があり、本研究の意義は大きい。平成28年度に実施した研究によると、各種がん細胞に自然に発現しているPD-L1は少量のため、IFNgannmaで刺激してPD-L1の発現亢進を惹起させたうえで、ハイパーサーミア(温熱療法)の発現抑制効果を検討した。その結果、がん細胞膜上のPD-L1の発現はハイパーサーミア(温熱療法)施行後有意に低下した(FACSでの検討)RT-PCRでの検討によるとPD-L1の細胞内での合成がハイパーサーミア(温熱療法)により抑制されていることが明らかとなった。ただ、そのメカニズムは今のところ不明のため、今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今日のがん治療においては、免疫療法とくに免疫チェックポイント阻害剤の有効性が注目されている。そこで、本研究では、がん組織に浸潤したTリンパ球上のPD-1,およびがん組織上のPD-L1の発現に及ぼすハイパーサーミア(温熱療法)の影響を検討することを目的としている。初年度である、平成28年度は、がん組織上のPD-L1に及ぼすハイパーサーミア(温熱療法)の影響をin vitroで検討した。これは、もしもハイパーサーミア(温熱療法)により、がん細胞上のPD-L1の発現を負に制御できれば、高価な免疫チェックポイント阻害剤の使用量や投与間隔を減じることができる可能性があり、本研究の意義は大きい。平成28年度に実施した研究によると、各種がん細胞に自然に発現しているPD-L1は少量のため、IFNgannmaで刺激してPD-L1の発現亢進を惹起させたうえで、ハイパーサーミア(温熱療法)の発現抑制効果を検討した。その結果、がん細胞膜上のPD-L1の発現はハイパーサーミア(温熱療法)施行後有意に低下した(FACSでの検討)RT-PCRでの検討によるとPD-L1の細胞内での合成がハイパーサーミア(温熱療法)により抑制されていることが明らかとなった。ただ、そのメカニズムは今のところ不明のため、今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
ハイパーサーミア(温熱療法)によるがん細胞のPD-L1の合成抑制のメカニズムを明らかとする必要がある。また、1回のハイパーサーミア(温熱療法)にて、どれくらいの期間、PD-L1の発現低下が維持されるのかも明らかとしなければならない。最終的には、ハイパーサーミア(温熱療法)と併用することでよりPD-L1の発現低下を増強できるような薬剤の発見につなげたい。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、細胞実験での基礎検討のみに終始したため、消耗品の支出が少なく収まった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度以降は、さらに細胞実験を積み重ね、また人の検体(Tリンパ球)も扱う可能性があるため、それに持ち越し分を充てる。
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