2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢患者に対する舌厚評価を交えた呼気筋トレーニングの効果検証
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16K01485
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
松尾 善美 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 教授 (90411884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 幸夫 徳島文理大学, 保健福祉学部, 准教授 (60747632)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 呼気筋トレーニング / 舌厚 / 高齢患者 / 呼吸機能 / 嚥下機能 / 口腔機能 / ADL |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度における本研究の目的は、長期入院中の通常口腔ケアを実施している高齢者に呼気筋トレーニング(EMST)の介入効果を検討することであった。 対象は、長期療養中の高齢者20名に4 週間のEMST群ないしは有効トレーニング閾値未満のシャムトレーニング群(シャム群)の2群に無作為に割付し、監視下EMSTの介入効果を検討した。 EMSTにはRespironics社製 Threshold IMT を用い、EMST群には最高呼気筋力の75%負荷で、シャム群には25%負荷で週2回10分間を医療職の監視下で坐位にて実施した。測定は舌厚、呼吸機能(努力肺活量、%努力性肺活量、1秒量、1秒率、最高呼気流速、%最高呼気流速)、最高呼気筋力・%最高呼気筋力・最高吸気筋力・%最高吸気筋力、反復唾液嚥下テスト、改訂水飲みテスト、舌圧、口唇閉鎖力、バーセルインデックスを介入前後に測定した。EMSTの負荷設定圧は、途中得られた最高呼気筋力値に応じて、負荷圧の再調整を随時実施した。測定前には、方法と手順について十分説明し、事前練習を数回行った。 EMSTは20名ともに100%期間中完遂できた。介入前後で全指標でシャム群には改善がみられなかったが、EMST群では舌圧、最高呼気流速、%最高呼気流速、最高呼気筋力、%最高呼気筋力、最高吸気筋力、%最高吸気筋力は有意にEMST群で改善し(P<0.05)、%努力性肺活量、口唇閉鎖力は改善傾向にあった。しかし、EMST群では舌厚、努力性肺活量、反復唾液嚥下テスト、改訂水飲みテスト、口唇閉鎖力、バーセルインデックスは改善しなかった。 EMSTは長期療養中の高齢患者にも耐えられるトレーニングであり、舌圧、呼気機能、呼吸筋力を改善させる可能性があり、咳嗽機能の改善のみならず、嚥下機能の改善に資するかもしれない。来年度症例数を増やして最終的な結論を得る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
冬季における長期入院中高齢入院患者のインフルエンザ発症により研究への協力が得られなかったため、次年度対象数を増やせるよう努力する。
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Strategy for Future Research Activity |
EMSTは長期療養中の高齢患者にも耐えられるトレーニングであり、舌圧、呼気機能、呼吸筋力を改善させ、呼吸機能・咳嗽機能の改善可能性が現時点で判明しているが、舌厚、嚥下機能、口腔機能については来年度症例数を増やして再度検討する予定である。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた統計ソフトウエアのバージョンアップが行われなかった(発売されなかった)ため。
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