2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K01493
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Research Institution | Japan Organization of Occupational Health and Safety, Spinal Injuries Center |
Principal Investigator |
林 哲生 独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター(研究部), 独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター(研究部), 研究員(移行) (00769680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 健 独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター(研究部), 独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター(研究部), 研究員(移行) (80315077)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 軟部組織損傷 / 形態学的変化 / 頚髄損傷 / 咽頭残留 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、頚髄損傷における嚥下障害のメカニズムを解明することであるが、まず前向きの評価として、嚥下障害の重症度を評価し、経時的変化を解析した。嚥下障害は臨床重症度分類・Functional Oral Intake Scale・摂食嚥下能力グレードについて、受傷前・受傷後2週・受傷後1か月・受傷後2か月・受傷後3か月で評価した。91例の急性期頚髄損傷患者のうち、受傷後3か月まで前向きにfollow可能であった65例を評価し、臨床重症度分類・Functional Oral Intake Scale・摂食嚥下能力グレードのいずれの評価基準においても受傷を契機に嚥下障害は増悪し、その後徐々に改善していくことが分かった。しかし3か月時点でも11例(17%)に臨床的な誤嚥を認めていた。また、受傷後2週時点での嚥下障害の臨床重症度分類と麻痺の重症度を表すASIA motor scoreには有意な正の相関があり(p<0.05, r=0.67)、麻痺が重篤であれば嚥下障害も強かった。 以上の結果については、平成30年の日本脊椎脊髄病学会で報告し、日本リハビリテーション医学会およびInternational Spinal Cord Societyでも学会発表予定である。 また、嚥下障害の機序については、現在、CTおよび単純Xpを用いて後咽頭腔や気管後腔などの軟部組織の腫脹を計測しているところである。軟部組織の腫脹と嚥下障害の程度に相関関係があれば、軟部組織の腫脹による形態的な変化が嚥下障害に影響を及ぼす可能性がある。 嚥下造影や嚥下内視鏡検査によると、咽頭部の残留が多く、受傷による構造上の変化が残留を引き起こしている可能性を示唆していた。 今後は、症例数を増やして、CTによる解析を進めていき、発生機序の解明に向けて研究を続けていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数も順調に進んでおり、目標である100例まで到達可能な印象である。また、嚥下造影や嚥下内視鏡も問題なく行えており、嚥下障害の確定診断としての役割を担っている。 軟部組織の腫脹を評価するCT計測においても、嚥下障害が強ければ軟部組織の腫脹は強い印象であるが、統計学的な評価ができておらず、症例数を集めての相関関係や多変量解析が必要となってくるが、進捗状況としては、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のクライテリアを元に研究を進めていけば、100例まで到達可能であり、統計解析が可能と考える。 論文としては、「急性期頚髄損傷に対する嚥下障害の経時的変化」を英語論文にする予定ではあるが、その他、軟部組織の腫脹のデータがまとまれば、メカニズムの報告も可能であると考える。積極的に国内および国外の学会へ発表を行い、英語論文をまとめていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究用の備品や消耗品が予定より安価で購入できたために、次年度の繰り越しとなった。 (使用計画) 学会発表のための旅費や統計ソフトの購入を計画している。
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