2018 Fiscal Year Research-status Report
血中脂質メディエーター発現パターンから評価する心不全と心臓リハビリテーション
Project/Area Number |
16K01494
|
Research Institution | 382784 |
Principal Investigator |
本庄 友行 社会医療法人神鋼記念会(総合医学研究センター), 総合医学研究センター, 医長 (30457048)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 心臓リハビリテーション / 脂質メディエーター |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会を迎える我が国では心不全治療法として心臓リハビリテーションが脚光を浴びており、2017年に改訂された日本循環器学会の急性・慢性心不全診療ガイドラインでも包括的外来心臓リハビリテーションが推奨されている。 我々は、心臓リハビリテ ーションの効果の一つと考えられ ている抗炎症作用に着目し、血中の炎症惹起性・収束性脂質メディエーターとの関連を検討している。 心臓リハビリテーションを外来にて継続している心不全患者に対して、心肺運動負荷試験(CPX)による嫌気性代謝閾値(AT)や最高酸素摂取量(peak VO2)などのパラメーターの測定に加えて、継時的な血中脂質メディエーター発現パターンの変化(リハビリテーション前後の発現の比較)およびSF-36による健康関連QOLの測定を行っている。 検討時期は、心臓リハビリテーション開始時(0ヶ月)、開始後1ヶ月、3ヶ月、5ヶ月後としており、 エントリーされた患者は86名で、背景は心不全および虚血性心疾患が主となっている。そのうち10名がリハビリ通院が困難、転居、死亡などの理由で本研究から離脱となっている。 現在、脂質メディエーターの再測定の影響で、データ解析に時間がかかっているが、0ヶ月と5ヶ月後とで発現パターンが異なる脂質メディエーターが複数見つかっており、運動耐容能や健康関連QOLデータとともに、それぞれの関係性について検討を行っている。それにより、脂質メディエーターの観点から心臓リハビリテーションのもつ効果を明らかにしていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
神戸大学質量分析センターに測定を依頼している血中脂質メディエーターのデータに不具合が生じたため(大きな測定 誤差が生じた)、再測定を行なった。 大量のサンプルをまとめて再測定することとなったため、時間がかかり、研究に遅れを生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
患者エントリーも終了し、脂質メディエーター再測定も終わったため、データ解析を行っている。 CPXデータだけではなく、採血データ、筋力測定データ、SF-36による健康関連QOLに関しても解析中である。 脂質メディエーターと各種データとの関連を明らかにし、新たな心臓リハビリテーションの指標を探索する。
|
Causes of Carryover |
理由:血中脂質メディエーターの再測定が必要となったため、解析作業の中断が必要となり大幅に研究計画が遅延した。 そのため研究期間の延長が必要となった。 使用計画:今後の学会参加、論文作成費用に使用していく予定である。
|