2017 Fiscal Year Research-status Report
ウェアラブルNIRSを用いた反復計測に頑健で簡便な脳機能検査法の開発
Project/Area Number |
16K01497
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
菊地 千一郎 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (60323341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 正人 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20221533)
服部 卓 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (30241897)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 近赤外線スペクトロスコピー / 作業療法 / 精神疾患 / 認知課題 / 反復 / 馴化 / ビデオゲーム / ウェアラブルNIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
精神科リハビリテーションの長期にわたる経過観察、効果測定などのためには、臨床に応用可能である機器を用いることが望ましい。近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)検査は、非侵襲かつ低拘束に、ヘモグロビン濃度変化を根拠とする脳活動を測定することが可能であるが、従来の機器は可搬性に欠ける。さらにNIRSは、相対的な濃度変化を測定するため、刺激となる認知機能過大の負荷が必要なのであるが、反復による馴化を念頭に置いた課題の選択が考慮されているとは言いがたい。そこで本研究では、日常環境下で簡便で反復可能な脳機能計測を可能にするため、ウェアラブルNIRSという可搬性に優れた機器を使用し、ウェアラブルNIRS上で馴化に頑健な認知課題を探求することを目的とした。平成28年度までの研究では、文字そのものの色と文字の示す色が矛盾する文字を呈示しその色を答えさせる文字ストループ課題(例:赤色で「青」と書かれていれば、赤と答えなければならない)が最も馴化に強いことが判明した。この研究は、より詳細な検討を加え、平成29年7月に東京で行われた、光脳機能イメージング学会、および、平成29年10月にベルリンで行われた世界精神医学会にて発表された。更に文字ストループ課題は抽象的な概念を呈示するため、平成29年度はストループ課題派生課題(数字ストループ課題、リアルサイズストループ課題)を加えて、キー入力を用いて入力させたところ、予想に反して課題遂行中の相対的な血液量変化の減少を招く結果となってしまった。これは、なるべく早く画像を認知後判断の結果をキーボードで入力するという作業がビデオゲームの様式に類似していたためでは内科と考えられた。過去の研究ではビデオゲーム中には前頭前野の活動が低下していることが報告されている。平成30年度はキーボードを利用しない音声入力にて課題を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は課題を洗練させる必要があったが、予想外の活動低下が認められた。これはキーボード入力によるものではないかと考えられた。そのため、目標よりは送れていると判断せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は入力方法として音声入力を採用し、音声入力とキー入力の比較を検討する予定である。
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