2017 Fiscal Year Research-status Report
脳‐末梢神経Dual stimulationの脳脊髄イメージングと動作解析研究
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16K01502
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
久保田 雅史 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 理学療法士 (60422672)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | tDCS / 末梢神経電気刺激 / fNIRS / 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度新規購入した全頭測定型functional NIRS装置(Spectratech OEG-17APD)のみでは、詳細な脳領域における測定部位の同定が困難であったため、平成29年度に新たに測定チャンネルの脳位置を測定する三次元磁気式位置計測システムPatriot(POLHEMUS社製)と解析ソフトNIRS SPMを整備し、測定を実施した。対象者は健常成人とし、測定内容は感覚刺激としてパルス幅1msec、周波数100Hzと、パルス幅250μsec、周波数30Hzの2種類とした。測定部位は両側運動野、補足運動野、運動前野、感覚野とした。その結果、運動課題に応じたoxy-Hbの増加は認めたが、電気刺激の違いによる差は認めなかった。電気刺激時間や電極設置位置など、その他のパラメータを変更しながら測定を継続している。 急性期脳卒中症例に対し、tDCSと末梢神経電気刺激併用による短期的効果を検証した。対象症例は手指麻痺は重度から中等度(12段階麻痺グレード1-6)で、発症10日以内の症例とした。まず、n of 1 trialとしてデザインし、anodal-tDCS(2mA15分間)と末梢神経電気刺激とを併用した日と、sham-tDCSを実施した日に分けた。結果、anodal tDCSと末梢神経電気刺激の併用は、電気刺激後に運動パフォーマンスが高くなる可能性が示唆された。さらに短期的にanodal tDCSと末梢神経電気刺激を併用し(週5回、一日1セット20分間)、運動機能が改善していった症例を経験した。 平成28年度に実施した、脳卒中後の不随意運動に対するtDCSの有効性を検証した報告は、原著論文として受理され、公開された。また、平成28年度までに実施したtDCSの筋制御能に対する有効性検証は、原著論文として科学誌へ投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
fNIRSで計測したデータが、詳細な脳領域の同定が困難であったため、平成29年度に新たに三次元磁気式位置測定装置を購入し、脳領域の同定を可能とした。そのため、再度データ計測を行う必要があったため、やや遅れて研究は遂行している。 また、脳卒中症例のデータに関しても、適応症例が想定より少なく、データの蓄積に難渋しているため、やや遅れて研究は遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、脳卒中症例を対象者とし、大脳皮質への刺激であるtDCSと末梢神経電気刺激の併用による効果検証に重点を置き、研究を実施していく。
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Causes of Carryover |
補助事業の誠実な執行に努めた結果、当初計画より経費の使用が節約できたことにより未使用額が生じた。
平成29年度未使用額を30年度に持ち越して消耗品購入や論文投稿費に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)