2018 Fiscal Year Research-status Report
認知症の進行に伴う嚥下機能の経時的変化と並走する誤嚥リスク回避策に関する臨床研究
Project/Area Number |
16K01508
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
東嶋 美佐子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40279005)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 智弥 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (30345003)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 摂食嚥下 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度からデータ収集をしていた認知症治療病棟入所者群31名の、初回と3ヵ月後の経時的変化について統計解析を行なった。その結果、摂食嚥下機能には有意差は認められなかった。しかし介護認定調査員テキスト2009に従って、①寝たきり度、②認知機能、③精神・行動障害観察項目、④独自に作成した食行動問題観察項目と⑤食形態観察項目においては、精神・行動障害(P=0.007)、食行動問題(p=0.049)に有意差が認められた。 さらに、重度認知症デイケア通所者群20名の、初回と6ヵ月後の経時的データの収集が終わって、現在はその解析中である。6ヶ月間の経過中に2名の者が他施設へ入所となった。また、毎週一回開催される軽度認知症のためのデイサービス参加者群20名の、初回データの収集が終わって、6ヵ月後に当たる2019年8月に経過データを取る計画である。 認知症治療病棟入所群・重度認知症デイケア通所者群・軽度認知症デイサービス参加者群の3群に対しては、共通的に非侵襲的嚥下機能検査装置を使って反復唾液嚥下回数と反復唾液嚥下間の時間、さらにトリガスプーンを使った5回の水飲み検査による嚥下間の時間を比較して経時的変化を捉える事を研究手法の中心に置いていた。しかし、認知症治療病棟入所群は、非侵襲的嚥下機能検査装置による二つの検査に対する理解が困難であったことから、観察評価が中心となり唯一共通評価として比較できる手法が、80センチの吹き戻しを使った検査のみとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に計画していた認知症の摂食嚥下機能の経時的変化を捉えるための検査方法が、認知症治療病棟に入所している者には理解が困難で検査法の変更を余儀なくされたことと、認知障害や非認知障害による摂食行動の問題が予想に反して進行したために、経時期間を3ヶ月しか設けれなかった点が挙げられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、毎週一回開催される軽度認知症デイサービス参加者群グループ20名の初回データの収集は完了しているので、6ヶ月後の経過を2019年8月に取る予定である。 さらに今年度は科研の最終年度であることから、健常高齢者群や認知症がない施設入所高齢者群さらには認知症の重症度による3群について、摂食嚥下機能に関する総合的な解析を行なって研究成果としてまとめる予定である。
|
Causes of Carryover |
4万円強の未使用額が生じた理由は、データ処理者の3月分の謝金として計上していたが、就職準備のために雇用が2月までとなったためである。次年度のデータ処理謝金として使用する計画である。
|
Research Products
(2 results)