2017 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を用いた描画像のデジタルパターン解析による精神機能障害の新指標探索
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16K01512
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲富 宏之 京都大学, 医学研究科, 教授 (10295107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 基 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70316008)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 精神機能障害 / 機械学習 / バウムテスト / 樹木画分類 / ゲシュタルト |
Outline of Annual Research Achievements |
バウムテストの樹木画をコンピュータで自動的に分類できれば,検査者が樹木画の判断を行う際にコンピュータによる分類結果を参考にできる.また,専門的な知識を持たない者でも手軽に検査を行うことが可能となるので,実際に精神科を受診する手助けになると考えられる.これを実現するため,平成29年度はDeep Learning を用いて樹木画と検査者による判断(画型)を学習することでバウムテストの樹木画の分類器を構築することを試みる.そのために,バウムテストで描かれた樹木画を"normal", "positive","negative","chaos"の4クラスに分類する.この分類を高い精度で実現できる手法を検討する. 前年度の課題として画像のサンプル数増加,小規模データセットでも良好な学習を得る手法の検討をあげていた。 まず,サンプル数が少なく,クラスごとに偏りのあるデータセットでもData Augmentationの有効性が確認されたことによって,画像処理を施せばサンプル数を増加できることを確認した。そして,fine-tuningが適用であることも確認できたので,小規模データセットであってもthe Sketchy database の併用によるResNet-18の学習が良好であることも確認された。このようにして,スケッチ画像のデータセットであるthe Sketchy database を用いてResNet-18 を事前学習し,その学習済みのResNet-18 をバウムテストのデータセットにData Augmentation を行ったもので再学習する手法を用いた結果,全ての樹木画のうち正しく推定された割合は66.2% となった. 今後の課題としては,スケッチ画像のデータセットを用いた事前学習の際にもData Augmentation を適用すること,近年提案されている様々なCNN の改善手法を適用していくことなどが挙げられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)による樹木画分類の精度をより高くするための改善点を確認できた。 本研究の樹木画のようなスケッチ画像に対しては,画像処理の施工によるサンプル数を増加させるData Augmentationと,ResNet-18の併用が有効であることを確認した。 小規模なデータセットにおいて,fine-tuningが適用できることも確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
一般的な物体認識ではCNNへの入力画像が高解像度であるほど認識精度が高まるといわれているが,今回の検討では解像度を上げないときと比べて高解像度では逆に精度を下げた。これは,解像度を上げたことによって発生したノイズが学習に影響したと考えられる。 4クラス分類に対して,精神症状との関連性が示唆されている陽性画「positive」だけを分類させる2クラス分類が可能であるかを検討した。結果としては,2クラス分類は4クラス分類よりも成績が低いことが示唆された。4クラスにおける各画型の枚数の違い,および普通画「normal」,陰性画「negative」,合併画「chaos」における各画型を一つにまとめて分類したことが影響したものと思われる。 学習に最適な画型の分類の数を調べることも課題として残った。
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Causes of Carryover |
今年度のデータ収集では,被験者に対して謝金を支払う必要がない研究協力施設であった。併せて,研究代表者が所属先の異動に伴い,データ収集のスケジュールに変更を生じた。 成果報告に向けて研究計画を遂行する。
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Research Products
(4 results)