• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

身体障害者領域におけるピア・ボランティアシステムの試行とその効果

Research Project

Project/Area Number 16K01521
Research InstitutionUniversity of Tokyo Health Sciences

Principal Investigator

木村 奈緒子  東京医療学院大学, 保健医療学部, 講師 (90715103)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Keywordsピア・サポート / 身体障害 / 共助
Outline of Annual Research Achievements

これまでの研究結果より、日本におけるピア・サポートに関しては基礎研究が必要であることが明らかとなった。そのため、本年度は2つの基礎研究を行い、データの収集を行った。
(1)ピア・サポートの活動内容の分析
実際のピア・サポート活動をしているグループ(脳血管障害、頭部外傷)に聞き取り調査を行った。その結果、地域におけるピア・サポートは家族や専門職が運営しているグループがほとんどであることが明らかとなった。家族や専門家が直接介入していないグループは確認できただけでは5グループのみであった。グループの活動内容はグループを構成するメンバーの年齢と重症度によって変わっており、比較的若く後遺症が軽いグループは屋外での活動が多く、社会的就労も念頭に置いていた。一方高齢で歩行範囲が限られるメンバーがいるグループは話し合いが中心となっていた。どのグループも強いリーダーシップをとるメンバーがおり、全体の構成を考えながらスタッフ的な役割を担っていた。リーダーシップをとる人の負担は大きく、時間的経済的に大きな問題がないと行なえない現状があることが分かった。
(2)ピア・サポーターの成長過程
ピア・サポート活動をしている人(脳卒中既往者)を対象にインタビューを実施。得られた回答を分析した結果、「集まれる場所の必要性を実感する」、「同病者が気持ちを分かり合えることの重要性」、「助けられるばかりの自分から助ける自分への変革」、「既往者としての役割の任氏指揮」のカテゴリーに集約された。ピア・サポートを行うきっかけは多様であるが、必要性を強く認識していった過程が明らかとなった。更にリハビリテーションの中でピア・サポートの意識が育まれていったケースがあることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度の基礎研究で、最終的な結果とするにはまだケースが不十分である。ピア・サポーターの成長過程に関するインタビューでは、より多くのインタビューを確保する必要がある。また、ピア・サポーターは、メンバーに悪影響を与える可能性もある。介入研究を行うためには、正しいピア・サポートとは何をすることなのか、実際に患者(既往者)のニーズは何かを明らかにする必要がある。

Strategy for Future Research Activity

今までの研究では、介入研究に至るまでの基礎研究が不足していることが明らかとなっており、実際に行った基礎研究のデータも不足している。そのため今後は以下の方針で研究を推進する予定である。
①ピア・サポーターの成長過程のデータ収集:現時点ではデータ数が少ないため、分析が不十分である。そのため、追加で10名程度のインタビューを行う予定である。
②既往者のピア・サポートのニーズを把握する:ピア・サポート活動をしていく中で、メンバーに悪影響を与えている場合もある。本来ピア・サポートで何を得らえることを望んでいるのか、インタビューを行う。この得られた結果と諸外国の文献比較より、日本独自のニーズが明らかとなると考えている。
③ピア・サポーターの養成講座を実施:現時点では認知行動療法を取り入れた養成講座を検討している。すでに2人の講師から承諾を得ており、教材作成を行っている。これらの講座を受けることで、適切なピア・サポートが実施できると考えている。対象者は既にピア・サポートを行っている人で、講座の前後での違いを明らかにして、対象者自身の変化を明らかにしていく。

Causes of Carryover

次年度は、インタビューと介入研究を行う予定である。そのため、インタビューのための諸費用と、教材作りのための費用が必要となる。また、これまでの研究成果を論文化するための費用が必要となる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] The current status for occupational therapists involved in peer support in Japan2018

    • Author(s)
      Naoko Kimura
    • Organizer
      South Africa for the 17th World Federation of Occupational Therapists Congress
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi