2017 Fiscal Year Research-status Report
慢性痛を防ぐ集学的治療の基盤開発―理学療法における精神薬物療法の併用法の検討―
Project/Area Number |
16K01525
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
大道 裕介 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50506673)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大道 美香 愛知医科大学, 医学部, 助教 (30581079)
安井 正佐也 愛知医科大学, 医学部, 助教 (10723695)
内藤 宗和 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10384984)
押淵 英弘 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90568073)
矢倉 富子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (20722581)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ジクロフェナク / プレガバリン / デュロキセチン / DAMGO / 慢性筋痛 / ギプス固定 / 不活動 / 不動化 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体の不活動に起因する骨格筋の痛覚増強の機序の解明のため,ギプス固定後慢性痛(chronic post-cast pain [CPCP])ラットの急性期(ギプス除去1週後)と慢性期(ギプス除去3週後)のmirror imageの筋の機械痛覚増強に対し,ジクロフェナク(非ステロイド系抗炎症薬),プレガバリン(抗てんかん薬),デュロキセチン塩酸塩(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)の3種のpain killerを投与し,各期の筋の機械痛覚増強のプロフィールを薬理行動学的に検討した.ジクロフェナク投与群とプレガバリン投与群は,急性期と慢性期のいずれも改善が認められなかった.デュロキセチン塩酸塩投与群は,急性期の固定側でのみ,投与用量依存性の改善が認められた.一方,急性期の反対側や慢性期の両側で改善効果が認められなかった.デュロキセチンは,急性期に一部抑制効果が認められたことから,さらに早期のギプス除去直後から投与を開始し,除去後2日目まで連続投与を行った.固定側では,投与期間中のみで,反対側は,投与終了後も有意な筋の機械痛覚増強の抑制が認められた.3剤いずれも抑制効果が認められなかった慢性期において,μオピオイド受容体のアゴニストであるDAMGOを髄腔内投与した.投与後30分に,筋の機械痛覚増強は,両側性に完全に抑制された.身体の不活動に起因する慢性筋痛は,炎症性疼痛や神経障害性疼痛ではない特性をもった難治性の病態である可能性が示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の一部のデータをScientic reports誌(8, 3311, doi:10.1038/s41598-018-21429-3 (2018))に出版することができたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
運動療法とデュロキセチンとの併用効果について検証する.
|
Research Products
(2 results)