2017 Fiscal Year Research-status Report
先天性上肢欠損児のための身体知覚発達支援人工ボディパーツのデザイン
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16K01533
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
小北 麻記子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00389694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 謙吾 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (70336254)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 先天性上肢欠損 / 人工ボディパーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題に対して計画した2種のアプローチについて進捗させた. まず設計指針に関する研究実績としては,計画の通り,昨年までの成果についてをこの領域で最も信頼ある国際会議「ISPO 16th World Congress 2017 (Cape Town, South Africa)」にて「Development of Soft Artificial Limbfor Infants with Transverse Upper Limb Reduction Deficiency to Induce Extended Physiological Proprioception by Self-touch」と題する研究発表を行い,多くの研究者からの厚い議論を得るとともに,関連発表への聴講参加によって情報収集を行った.また従来の製品の設計指針の課題を解決する新しい指針について研究を行っている不便益デザイン研究(京都大学)と連携しながら検討を進め,その内容について述べる1章の執筆を担った.当該書は同年10月に出版された. 製品設計に関する研究実績としては,「指しゃぶり」に関連するアクティブタッチの運動-感覚の関係の調査のため,HTVエラストマー製ボディパーツ用金型の設計,製作とボディパーツを試作した.試作体の中から,母指が突起している形状と突起していない形状の2種で手部とスリーブ厚さの異なる計7種を選択し,アクティブタッチの運動-感覚の関係調査の第一段階として,試作体の先端内部とスリーブに加速度センサをそれぞれ取り付けモータ加振時とスティックスリップ時の振動伝達特性を調べた. 前向きな計画変更点が1点あり,新たにこの研究課題進捗に適した技術(乾漆)を知ったことから,当該技術を有する研究者との情報交換を進めたところ,具体的に試作に協力を得られることとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗に関わる大きな問題はなく,順調に慎重している.但,試作に関しては若干予定より遅れている.理由としては,予算内で試作を行うために,金型を大学内で仕上げる工程となったため,完成までに時間を要しており,また、より良い製品とするために新たに乾漆の殻製作の協力を得られることとなったため,計画の変更が生じたため,「(2)おおむね順調に進捗している。」を選択した.
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Strategy for Future Research Activity |
計画では,連携している研究者や医療関係者らの協力を得ながら,臨床に近い現場での試用段階に入る予定であったが,金型の完成が遅れたことから試作品の製作をH30年度に行うことになったため,情報収集の方法などの見直しを行うことによってスムーズに推進できるよう事前に調整したい. 具体的な製品に関する進捗方策としては,次の工程を予定している.HTVエラストマー製ボディパーツ内に乾漆製の殻を取り付け,はり,かたさを変化させ,振動伝達特性を調べた後,成人被験者にて,顔・口唇の形状認識実験として,健手とボディパーツでの探索動作の3次元動作解析装置を用いた比較,ならびに,サーモグラフィによる体表面温度変化,ならびに近赤外線分光法脳機能イメージング装置による快・不快の関係の調査を行う.これらから人工ボディパーツの装着の判断に影響する因子を導き,ボディパーツの形状・はり,かたさを定め,金型・ボディパーツを製作する.
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Causes of Carryover |
被験者実験の遅れに伴う謝金(10万円相当)の繰越,ならびにその結果をもとに行う形状の最適化と,最適化された形状のBP製作に必要な金型用の材料費(5万円)と外注加工費(20万円),製作費(10万円)の繰越があるため.また,当初予定していた岩見沢への出張分(5万円相当)が未執行となっているため.
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Research Products
(5 results)