2016 Fiscal Year Research-status Report
マルチモーダル入力と直感的フィードバックを有する実用安全指向型軽量肩義手システム
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16K01537
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関根 雅 千葉大学, フロンティア医工学センター, 技術職員 (70769182)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肩義手 / 空気圧人工筋肉 / マルチモーダル入力 / 力覚フィードバック / バックドライバビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
・義手アーム構造の最適設計開発のために計測日常生活動作(Activity of Daily Living, ADL)に基づきアームの仕様を決定した. 健常者の数種の両手動作を計測し, 5自由度リンクモデルにおける手先軌道追従時の各関節の所要角度・所要トルクを導出した. 各部品寸法, 空気圧人工筋肉(Pneumatic Artificial Muscle, PAM)/モータの各関節の適材適所配置, PAM最適使用本数を探索的手法により導出し, その結果を基に試作機に展開した. ・義手アームの要素技術開発として,義手アームの軽量・効率化に寄与できるPAMの3次元的レイアウトによる回内・回外動作機構を試作開発し,また義手アーム可動域と安全性・柔軟性に貢献できるPAM・増速歯車列を組み合わせた駆動機構を試作,評価実験を行いその効果を確認した. ・義手5自由度の操作のためのマルチモーダル入力システムのレイアウトを設計した. 筋電・加速度センサ・力センサ・機械スイッチを使って入力を行う. 各センサ・スイッチは頭部, 上肢,体幹, 下腿部,足指部に設置し当該部位の挙動により入力信号を生成する. ・対象物の重さ, 柔かさ・脆さによらず安全で安定した把持を実現し, 視覚では補えない把持力情報を使用者に伝えるための把持力フィードバックシステムの一部を設計した. このシステムは, ハンドで直接健常手首を掴まれるような形態により力覚に把持力を直感的にフィードバックさせるためのリストバンド型である. このバンドは薄膜状ゴム筐体を空気圧駆動で膨らませて, 膨張により健常手首を囲む(掴む)ように加圧することでフィードバックを実現するが,この筐体の一次試作の為の設計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
義手アームの設計試作は概ね計画通りに進んでいる.マルチモーダル入力システムのレイアウト設計や把持力フィードバックシステムの筐体設計は,理想ではレイアウトの作り込み(最適化)・試作まで進めたかったが,当初本課題の後半に実施を検討していたPAM3次元的レイアウトによる回内・回外動作機構の試作開発,PAMと増速歯車列を組み合わせた駆動機構の試作・実験評価を実施でき,全体としては概ね順調に進んでいるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
・入力システム,フィードバックシステムの製作に着手する.入力デバイスについては試作後被験者による操作性の評価を基にモダリティの組合せやレイアウトの仕様を再考しデバイスを作り込む. ・実装システムについて,制御・動力源のコードレス化による義手システムポータブル化実現に向けた設計試作を行う.
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Causes of Carryover |
マルチモーダル入力システムのレイアウト設計や把持力フィードバックシステムの筐体設計は理想では試作まで進めたかったが, そこまでは至らなかった. そのためこれらのシステムで必要なセンサ類や開発環境,筐体用材料を購入せず次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マルチモーダル入力システムとフィードバックシステムに必要な物品を購入する予定である.
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