2018 Fiscal Year Research-status Report
低形成を有する身体障害者の二次障害予防 -サリドマイド被害者の支援-
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16K01545
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
辻村 裕次 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40311724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20293821)
白星 伸一 佛教大学, 保健医療技術学部, 准教授 (20388698)
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90236175)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | サリドマイド胎芽症 / 短肢症 / 座位姿勢 / 筋骨格系症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
障害者入所施設で働く方と私立大学教員の2名のサリドマイド胎芽症者に、調査介入への協力が得られ、職場へ訪問し、調査・介入・評価を行った。 前者の方は左上肢の「しびれ」を訴えており、左僧帽筋に強い筋硬結があった。人間工学的な対策にて介入を行なった結果、作業姿勢が改善し、左上部僧帽筋の硬結が軽快し、左上肢の「しびれ」症状がなくなり、肩や腰部の終業時の疲労が軽減した(平成29年3月)。H30年度には、転職した新しい職場を訪問し、作業環境が介入時と変わったけれども、左上肢で上体を支える不良姿勢が少なくなっており、大きな問題が起きていないことを確認した。その際、左肩部の筋血流をエコーにより検査し、エコー画像を見ながら、左上肢で上体を支える姿勢では血流が悪くなり、上体を起こすと血流が良くなることを説明した。筋骨格系症状予防の啓発になったと考えられる。 後者の方については、お会いした際に筋骨格系症状や健康状態を確認するに留まった。 また、新たなサリドマイド胎芽症の被験者は確保できず、1年の研究延長を申請し、承認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
介入のために協力していただける新たなサリドマイド胎芽症の被験者が見つかっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
延長年度(2019年度)は、サリドマイド胎芽症者の「人間工学的な支援」の体制を再構築し、かつ、サリドマイド胎芽症者の支援団体である公益財団法人「いしずえ」からの要望もあるので、サリドマイド胎芽症の方々の健康問題に関する情報収集と新たな被験者の確保が可能と考えられる。 そして、サリドマイド胎芽症者の筋骨格系症状を主とする健康問題の改善事例を積み重ねる予定である。
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Causes of Carryover |
主要研究員である辻村と白星の業務が多忙なため、被験者を合わせた三者の訪問日程の調整が困難であったことで、研究が進められなかった。そのことにより、サリドマイド被害者の健康保持・二次障害予防のためのパンフレットを研究期間内に完成できないと判断せざるを得なかった。 延長年度(2019年度)は、サリドマイド胎芽症者の新たな被験者の確保を行い、健康状況の改善事例を作り、そして、サリドマイド胎芽症者の健康保持・二次障害予防のためのパンフレットを作成する予定で、その制作費として使用させていただく。
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Research Products
(3 results)