2017 Fiscal Year Research-status Report
日中・夜間における嚥下障害スクリーニングのためのパターン認識に基づく生体信号解析
Project/Area Number |
16K01546
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
八木 直美 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40731708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越久 仁敬 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20252512)
永見 慎輔 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (60744042)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 生体信号解析 / パターン認識 / 誤嚥 / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、呼吸と嚥下との関係性について検討した。嚥下前後の吸息には複数の要因が影響する。咽頭運動反応や食道段階の嚥下に関連する解剖学的異常および生理学的障害が含まれると考えられている。293名のボランティア対象者と嚥下リハビリテーションのため入院した30名の嚥下障害患者(亜急性期~慢性疾患安定)に対して嚥下機能評価を実施した。ボランティア対象者については、10項目摂食評価ツール(EAT-10)の日本語版を用いて、嚥下に関する健康状態の判断を行った。EAT-10スコア3点以上は、嚥下障害の可能性があると考えられるため、健常者群(75.0±6.1歳、56~92歳、男性21名および女性248名)、嚥下障害の可能性あり群(75.9±6.6歳、66~96歳、男性3名、女性21名)に詳細分類し、嚥下障害者群(73.3±9.9歳、55~89歳、男性15名、女性15名)の全三群で検討した(p = 0.324)。嚥下イベントによって呼吸リズムがどのようにリセットされるかを調査するために、1呼吸サイクルを1単位と定義し、吸息の始まりを起点として呼吸相のどのタイミングで嚥下が起こったかに注目した。その結果、1)健常者群と嚥下障害者群では、嚥下のタイミングが早期または遅発期であると呼吸嚥下パターンがくずれる可能性が高い、2)嚥下障害者群の嚥下タイミングは健常者群と比べて遅延する 3)嚥下障害群では、嚥下潜時と強く関連している呼吸休止期間が延長されることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日中における臨床データ取得、解析において良好な結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28-29年度の試験を継続的に行う。日中の誤嚥のリスク評価を発展させて、睡眠時無呼吸の評価を行う。さらに、被験者の背景や嚥下状態の関係を検討することにより、どういった場合に誤嚥が起こる可能性が高くなるのかを明らかにし、誤嚥シミュレーションモデルの確立を目指す。リアルタイム解析、遠隔モニタリングのためのデータ共有基盤の整備を実現する。
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Causes of Carryover |
予定していた夜間モニタリング解析を次年度に行うこととしたため、次年度使用が生じた。未使用額はその経費に使用を予定している。
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