2017 Fiscal Year Research-status Report
精神障害患者の希望・決定・実行を援助する急性期リハビリテーション介入の効果
Project/Area Number |
16K01548
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
橋本 健志 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60294229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四本 かやの 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (10294232)
藤本 浩一 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (20467666)
平良 勝 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (30444574)
大畠 久典 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (40726014)
渡部 貴史 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (80758847)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 個別作業療法 / 統合失調症 / 認知機能 / 青年・成人感覚プロファイル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、以下の研究結果を得た。患者と治療者の治療セッティングが1対1のときには、治療者は患者が希望し、決定し、実行することを援助しやすい。そこで、1対1の個別作業療法を統合失調症入院患者に対し実施し、通常治療群と比較し認知機能にどのような影響を及ぼすかを検討した。認知機能は、検査室内の心理検査テストによって検査時の認知機能を評価するもの、生活場面での行動から認知機能を評価するもの、これら2つに大別されるが、本研究では、それぞれ統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)と統合失調症認知評価尺度日本語版(SCoRS-J) で認知機能を測定した。介入期間3ヶ月の後、SCoRS-Jの一部の項目において介入群で有意な改善がみられたが、BACS-Jに2群間で有意差はみられなかった。1対1作業療法セッティングにおける、患者の希望・決定・実行を尊重したリハビリテーション介入は、統合失調症患者の生活場面の行動に直接的に関連する認知機能を改善することが示唆された。現在、海外で報告すべく論文を準備している。また、神戸大学医学部附属病院精神科において、急性期患者に対して、患者の希望・決定・実行を尊重したリハビリテーション援助することを実践し、実施可能性について検討した。青年・成人感覚プロファイル(Adolescent Adult Sensory Profile、以下ASP)は安全に実施が可能であり、検査によって症状が悪化する者はいなかった。ASPを用いることによって患者自らが希望を表出できた。経過を事例研究として論文作成中である。 さらに、申請課題に関連する他の研究結果についても国内外で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多くの急性期統合失調症の入院患者が本研究に参加することを見込んでいたが、入院期間の大幅短縮により、2群間比較するほどの患者数をリクルートすることが困難になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
関連病院から研究参加者をリクルートし、また、亜急性期患者も研究対象者に加えることで対応する。
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Causes of Carryover |
データ整理に人件費・謝金を必要としたため、また、次年度もそれらに必要とするため、当該年度の物品費をおさえたため。
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Research Products
(12 results)