2019 Fiscal Year Annual Research Report
Stress assessment in communication mode of severely disabled persons
Project/Area Number |
16K01552
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
伊藤 史人 島根大学, 学術研究院理工学系, 助教 (10583669)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 重度障害児 / アミラーゼ / ストレス / 訪問教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児医療や救命救急医療の技術的進歩により、重度・重複障害のある児童生徒は近年増加傾向にあり、「障害の重度・重複化,多様化」が進んでいる。児童生徒は,特別支援学校において自立活動を主とする教育課程で学び、長期入院中の児童生徒は、ベッドサイド学習中心の訪問教育を受けている。運動表出が乏しく、健康面・身体面に不安定であることから、コミュニケーションや身体活動に課題を抱えている。 対象者は、低酸素性虚血性脳症の7歳男児。人工呼吸器を使用している。長期入院中のためベッドサイド学習中心の訪問教育を受けているが、外部刺激に対して反応に乏しく学習効果等が確認できない。そのため、実態に応じた授業内容への改善を図れるよう、授業内容が適切であるかどうかを検討する一助として、ストレス状態を計測して授業内容への反応を推定する。 アミラーゼ活性値は、「エンサウンド社製抱っこスピーカーによる音楽鑑賞」を終えた直後では顕著に低い傾向であった。一方、「絵本の読み聞かせ」を終えた後では、高い値を示す回が多く見られた。筋緊張が見られ授業者が不安を感じていた「マッサージ」においては、さほど高い値を示さなかった。湿度とアミラーゼ活性値の関係に着目すると、湿度の低い期間において、高くなる傾向が見られた。 これらの結果より、唾液アミラーゼ測定を用いた重度・重複障害児のストレス推定は、日によって測定結果に差があるものの、傾向を示すことができると言える。対象者が心理的に安定して取り組むことができる内容を明らかにすることで、授業内容の改善を図ることができると考える。
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Research Products
(2 results)