2016 Fiscal Year Research-status Report
支援者の行動変容を促すコミュニケーションエイド使用履歴の分析・可視化
Project/Area Number |
16K01553
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
廣冨 哲也 島根大学, 総合理工学研究科, 准教授 (70379692)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コミュニケーションエイド / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、コミュニケーションエイドの一つであるSTalk2の使用履歴を分析した情報を可視化し、適切なタイミングや頻度で提示することにより、障害児とのコミュニケーションにおける支援者の適切な行動変容を促す手法について研究開発を行うことである。 本年度は、障害児のコミュニケーション能力を引き出すための支援者の行動変容をFoggが提案している「behavior grid」の観点で分類した。STalk2を導入した17クラスの特別支援学校・学級の教員を対象としたインタビューを分析した結果、「increase behavior」として、STalk2を使用することにより、視覚的な手がかりと一緒に発言を伝える回数、場面および語彙が増えたケースが多く見られた。支援者である教員のコメントから、障害児の会話理解が促進された、本人からの発信やリアクションが増えた、教員と一緒に話す語彙が増えた等、障害児と教員のコミュニケーションを改善する効果があったことがわかった。 どのようなタイミングでどのような情報を提示すると、コミュニケーションをより改善する支援者の行動につながるのかを検討するため、自閉症児1名とダウン症児1名のそれぞれのクラス(合計2クラス)における観察を実施し、現在、フィールドノートに基づく分析を行っている。当初記録していた使用履歴のみでは認識できないと考えられる支援者および障害児の行動があるため、その対策を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
STalk2の使用履歴から行動変容を促すべきか推測する手法について検討を進めているが、当初記録していた使用履歴のみでは認識できないと考えられる支援者および障害児の行動があり、その対策が必要なため。
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Strategy for Future Research Activity |
使用履歴の記録方法を改善し、当初計画に従って研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
コミュニケーションプロセスの分析に時間を要したため、成果発表が行えなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
延期した成果発表を行うとともに、プロトタイプの開発・試用に必要な機器の購入を行う。
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