2017 Fiscal Year Research-status Report
支援者の行動変容を促すコミュニケーションエイド使用履歴の分析・可視化
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16K01553
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
廣冨 哲也 島根大学, 総合理工学研究科, 准教授 (70379692)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コミュニケーションエイド / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度から引き続き、実環境である特別支援学校におけるコミュニケーションエイドSTalk2の使用データを収集しつつ、そのデータの分析手法について研究開発を行った。 昨年度までに収集したデータを分析した結果、活動の「振返り」を目的としたコミュニケーションにSTalk2を使用したいというニーズがあることが明らかになった。しかし、支援者である教員は、学校生活において振返りのための語彙を選定する十分な時間的余裕がなく、その結果、障害児とのやり取りが定型的な内容に限定されがちであることがわかった。Persuasive Technologyの設計原則の1つに、複雑な手順を単純にすることで必要な労力を軽減し、行動を促す「Reduction」がある。特定の活動における特徴的な語彙を提示する労力が軽減されれば、振返りにおける行動変容が期待できる。そのため、STalk2で提示した語彙のデータを使用履歴に含まれる位置情報および時間情報により分割し、特定の期間・場所(コンテキスト)における特徴的な語彙をTF-IDFスコアにより抽出する手法を開発した。これまでに収集した特別支援学校・学級46クラスのデータを用いて評価し、本手法は、コンテキストにおける使用頻度で語彙を抽出する場合と比べ、コンテキストに特有の語彙をより多く抽出できることがわかった。さらに、この手法をSTalk2に組み込むため、期間・場所を指定し、抽出語彙を提示する機能の設計を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実環境での使用データを収集と分析手法の開発は予定通り実施できたが、情報提示手法の開発がやや遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従い、特別支援学校において長期間のケーススタディを実施、使用履歴等の量的データとインタビュー等により収集する質的データを組み合わせて評価を行う。ケーススタディの期間は4ヶ月程度を想定している。研究遂行上のリスクとして、実装がやや遅れていること、学校行事や児童の体調等によりデータ収集できない期間が生じる可能性があることの2点がある。状況に応じて、研究期間やデータ収集の方法等について検討を行う必要がある。
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Causes of Carryover |
年度内に国際会議で成果を発表する予定であったが、次年度にずれ込んだため。 当初の執行計画に加えて、成果発表等を積極的に行うことに使用する。
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