2017 Fiscal Year Research-status Report
レム睡眠行動異常(睡眠時随伴症)による離床に対する予知・通知システムの有用性
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16K01564
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
宮本 雅之 獨協医科大学, 看護学部, 教授 (00265331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 幸介 獨協医科大学, 看護学部, 教授 (30168695)
宮本 智之 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40296174)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 睡眠 / 福祉用具 / 支援機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
レム睡眠行動異常など睡眠時随伴症群において、高齢者や認知症患者の徘徊予測に用いられる介護施設用の見守り支援機器の使用による夜間の異常行動の定量的な検出の有効性を検証し、異常行動に伴う受傷や事故防止、確定診断後の治療効果の客観的な評価への応用の可能性について検証を進めている。夜間の異常行動を主訴に外来を受診し、レム睡眠行動異常症スクリーニング質問票(RBDSQ-J)等にてレム睡眠行動異常(REM sleep behavior disorder: RBD)が疑われた初診患者、またはRBDの診断をすでにうけているがRBDの再評価が必要な患者で、本研究への参加に同意された症例を対象に、ビデオ監視下での終夜睡眠ポリグラフ検査(polysomnography: PSG)を施行の際に、検査用のマットレスの下に、センサーシステム入りのパッド(アール・ティー・シー株式会社、栃木県上三川町)を敷き、ビデオ監視下のPSGと同時に異常行動を監視した。主にレム睡眠中の微細な運動と粗体動を、ビデオ動画とPSGのraw dataから得られた脳波、眼球運動、表面筋電図(オトガイ筋、両上肢の浅指屈筋、両下肢の前脛骨筋から記録された筋活動:REM sleep without atonia:RWA)、体位センサーおよびマイク音(寝言、発声、いびき)と、センサーシステムが感知した四肢の運動や動作、行動を圧センサーの変化として30秒ごとに経時的に捉えて、その両者の関連性についてデータを収集しながら解析を進めている。平成28年度から平成29年度にかけて、研究参加の応募者が32例あり、このうち研究参加を辞退された2例を除く、30例の患者の協力を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究を実施する睡眠ポリグラフ検査室と監視室が設置されている大学病院の病棟の耐震工事の予定が入り、一時期、検査環境の見直しの必要性にせまられたことと、本研究の仕様に合わせた見守り支援機器センサーの改良とセンサーの感度や取得したデータの有効性の検証のために時間を要し、研究の開始が当初の予定よりも約6ヶ月遅れた。いずれの問題もすでに解決し、当初の予定通りに研究を開始することができた。平成29年度末までに30例のデータを収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は上半期は、目標症例数50例を目標に、残り20例のデータ収集を行う。またこれと並行して平成29年度までに収集した30例分のデータについて、ビデオ監視下での終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)から得られたraw dataおよびビデオ動画(画像データ)とセンサーシステムのデータの比較検討を継続する。下半期は、研究成果をまとめ、関連する学会での研究成果の中間発表、論文発表と投稿の準備、および平成31年度に開催される関連する学会での成果発表の準備を進める。
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Causes of Carryover |
当初の計画よりも研究の進行が約6ヶ月遅れ、平成28年度に実施予定であった終夜睡眠ポリグラフ検査が、平成29年度と平成30年度に繰り越したため、研究参加に同意を頂いた患者に対して支払う検査費の一部負担分の予算が平成30年度にも繰越しになった。また、取得したデータの保存とバックアップのためのハードディスクの購入、データ等の整理のための文具品等の購入、学会発表のための旅費、英語論文執筆のため英文校閲料や謝礼など研究成果をまとめるために必要な経費を支出する予定である。
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