2016 Fiscal Year Research-status Report
地域在住脳外傷者の簡易版QOL尺度の開発および介護者の主観的QOLに関する研究
Project/Area Number |
16K01576
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
鈴木 めぐみ 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 准教授 (40387676)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 喜久夫 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (00246034)
内藤 真理子 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (10378010)
近藤 和泉 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (50215448)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | QOL / 頭部外傷 / 地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、我々はTBI者の現状の一側面を表現するツールとして、本人の主観的満足度・困難感や自己肯定感を測定する健康関連QOL評価に着目した。QOLは「身体機能・メンタルヘルス・社会生活機能」が基本的構成要素であり、患者の視点に立脚して多次元尺度で測定されるところに特徴がある。QOLIBRI(Quality of Life after Brain Injury; 脳外傷後の生活の質)は、脳外傷(以下TBI)者のQoL測定のために開発された全37項目の質問紙である。QOLIBRI-OS(Overall Scale; 短縮版; 以下OS)は、QOLIBRIを6項目の全般的尺度(身体・認知・感情・日常・人間関係・将来の見通し)にし、短時間かつ簡便に疫学調査に使用することを目的に作成された。今回、OS日本語版を作成し、TBI者で信頼性と妥当性の検証をした。 OS英語版を原作者の許可を受けて順翻訳・逆翻訳の手順を経て日本語版を作成し、地域在住のTBI者129名(男性104名・女性25名、平均年齢41.8歳)に面接法もしくは郵送法でOSを実施した。参加者の重症度はGlasgow Coma Scale(GCS)で分類した。その他、就業の有無やパートナーの有無も調査した。基準関連妥当性の評価のために、QOLIBRI、SF-36、HADS(Hospital Anxiety Depression Scale)、GOSE(Glasgow Outcome Scale Extended)も同時に行った。また信頼性の検証のため、最初の回答の2週後に再テストを実施した。 OS平均スコアは30.8であった。内的整合性を示すCronbach’s αは0.95、再テスト信頼性はICC=0.90であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標は、QOLIBRI-OSを作成するところまでであったが、それは達成された。今後は、さらに追加の研究を計画して実行したい。介護者と頭部外傷者のQOLについて調査を開始する。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の目標は、TBI者に対して、基準関連妥当性の検証のために、日本版QOLIBRIの調査時と同様にSF-36とHADSを同時に実施する。 これらの調査と同時に、介護者である家族に協力をもらい、家族には健康関連QOL評価としてのSF-36、気分尺度としてHADS、介護負担尺度としてZarit介護負担尺度を実施する。またTBI者と家族の双方に対して、脳損傷者のための社会的行動障害調査票を実施し、行動障害と障害に対するアウェアネス(気づき)の程度を調査する。
|
Causes of Carryover |
今年度は、予定していたコンピューターの購入を見送ったことから、該当金額が残金となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度の申請金額は主としてデータ収集のための謝金とレターパック購入代金、旅費になる予定である。
|
Research Products
(7 results)