2018 Fiscal Year Annual Research Report
Central neural mechanisms in early motor learning stage
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16K01597
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
船瀬 広三 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40173512)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 経頭蓋直流電気刺激 / 経頭蓋磁気刺激 / 小脳抑制 / タイミング制御 / 運動パフォーマンス |
Outline of Annual Research Achievements |
時間的外乱に対する適応学習における小脳の役割について検討した.被験者は,モニター画面の上部から下部へ一定速度で移動するボールを同画面上に設定したバットで打ち返し,打球が画面上の指定した位置に達するようにボールとバットのミートタイミングを調節する.打球が飛んだ位置と指定した位置との角度のずれをエラーとして算出する.バットスウィングは一定速度とし,ボタンを押すことで開始される.外乱無し条件試行後,スウィング速度を速める,遅くする,またはランダムに両条件を変化させた学習不可能条件で時間的外乱を与え,スウィング開始のタイミングの適応学習過程を観察し,学習前,学習早期・後期段階及び学習後におけるCBIの変化を調べた.適応学習過程は実験者側が意図した結果となり,実験デザインの妥当性が確認された,CBIはバットスウィング変化後,学習期段階で脱抑制を示し,その傾向は学習後期段階においても維持された.今後,被験者数を増やしてさらに検討を進めて行く予定である. また,運動スキル学習に伴い生じるM1の可塑的変化がフィードフォワード(FF)制御とフィードバック(FB)制御のどちらの制御方略の上達に関連して生じるかを検討した.被験者に足関節の底背屈を用いた視覚追従課題を学習させ,学習中,一定の割合で視覚FBが遮断される試行(catch trial: CT)を設け,FF制御のスキルを評価した.続いて,被験者にCTのみを実施させ,毎試行結果を教示することでFF制御を上達させた.学習前後,中間時にTMSを用いて前脛骨筋からMEPを記録した.その結果,FF制御が上達するとMEP振幅が増大する関係が観察された.また,FF制御が上達するように学習させると,全ての被験者でMEP振幅の増大が観察された.これらの結果から、運動スキル学習に伴うM1の可塑的変化は,FF制御の上達に伴って生じることが示された.
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