2017 Fiscal Year Research-status Report
運動能力と宿主-腸内細菌の相互作用に関する分子基盤の検証
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16K01600
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Research Institution | Yamagata Prefectural Yonezawa University of Nutrition Sciences |
Principal Investigator |
加藤 守匡 山形県立米沢栄養大学, 健康栄養学部, 教授 (20399330)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 筋力トレーニング / 有機酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年女性14名を対象に2ヶ月間のトレーニング期間と脱トレーニング2ヶ月間を設定し、筋力トレーニングが腸内細菌叢の変容に与える影響を検討した。筋力トレーニングは胸部、背筋、肩、上腕二頭筋、上腕三頭筋、腹筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋をターゲットにした内容とした。トレーニング頻度は、週4回とし2回は大学の施設(器具)を使ったトレーニング、残り2回は家庭での器具を用いないトレーニング内容とした。器具を用いたトレーニングの負荷量は、最大負荷量の70%とし、8回1セットを3セット実施した。トレーニング負荷は2週間毎に最大負荷量を測定し、トレーニング負荷の調整を行った。器具を用いないトレーニングは10回1セットを3セット実施した。いずれのトレーニングにおいてもセット間の休憩は2分間とした。測定項目は、Inbody S10による体組成、StrengthErgo240による等速性脚筋力、そして握力、長座体前屈、尿中コルチゾール、尿中DHEA-Sとした。骨格筋量はトレーニング開始前に比較し、トレーニング開始1か月後、2か月後に有意な増加を示した。また、体脂肪率は、トレーニング開始前に比較し、トレーニング開始1か月後、2か月後に有意な低下を示した。筋力トレーニングによる体組成の変化はトレーニング1か月後に認められ、骨格筋量は乳酸と有意な負の相関を示し、体重は酢酸、プロピオン酸、酪酸といった短鎖脂肪酸と有意な正の相関を示した。本研究で用いたレジスタンストレーニングは若年女性の筋量及び筋力を向上することが確認された。そして、レジスタンストレーニングに伴う体組成の変化には、腸内細菌層より産生される有機酸も関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
筋力トレーニングに参加した14名全員の体組成及び等速性脚筋力や握力、長座体前屈、尿中コルチゾール、尿中DHEA-Sの測定が終了。そして、研究期間を通して糞便サンプルの回収を終えている。有機酸の測定データの解析は終了しているものの、腸内細菌層の解析途中のため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、筋力トレーニングによる各種パラメーターの変化量と糞便サンプルからの腸内細菌叢分析との関連、さらにメタボローム解析との関連について検討を加えていく。
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Causes of Carryover |
腸内細菌層の分析、メタボローム解析の遅延により分析施設まで往復する交通費が使用されなかっため。
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