2019 Fiscal Year Research-status Report
思春期の全身および部位別の脂肪量と骨格筋量の基礎資料づくりと推定式の開発
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16K01601
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
緑川 泰史 桜美林大学, 健康福祉学群, 准教授 (50434345)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 身体組成 / 子ども / 脂肪量 / 骨格筋量 / MRI / 推定式 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際的にも思春期にある子どもの骨格筋量の分布や量を報告した研究は、未だ非常に限られている。このような国内外の研究動向の中、我々の研究グループは2009年にBritish Journal of Nutritionにて、思春期の男子11名(年齢14.1歳、身長165.5cm、体重55.0kg、値は平均値、以降括弧内は同様)の骨格筋量(全身20.0kg、腕1.8kg、体幹8.4kg、大腿7.6kg、下腿2.2kg)を報告している。2019年度に新たに中学生男子4名(年齢14.2歳、身長164.9cm、体重56.0kg)の測定を実施した結果、部位別の骨格筋量(腕2.2kg、体幹6.4kg、大腿9.9kg、下腿2.8kg)は先行研究と比較して体幹と大腿部に若干違いがみられたものの、全身骨格筋量(21.3kg)は、ほぼ同等であることが確認できた。今後対象者を増やし、全身および部位別骨格筋量の基礎資料作りを目指す。 これまで、我々の研究グループは思春期前の子ども(6~12歳)を対象に、皮下脂肪厚法を利用した全身体脂肪量推定式を開発した(Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition, 2011)。しかし、皮下脂肪厚法を用いた子どもの骨格筋量推定式は、現段階でも数限られている。2019年度は推定式作成に妥当なデータ数を確保できている思春期前の男子87名を対象に骨格筋量推定式開発を試み、思春期にある子どもへの応用可能性を探った。その結果、周囲径と皮脂厚から筋骨横断面積を算出することで、思春期前の子どもの全身および四肢(腕、大腿、下腿)の骨格筋量を正確に推定することができた。これらの結果を踏まえると、思春期にある子どもの骨格筋量推定式の開発時にも、筋骨横断面積をパラメータして利用可能であると推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
骨格筋量測定のゴールドスタンダードであるMR装置の入れ替えが2019年3月に終了し、その後、再度新しい撮像プロトコルの確認・検討が必要となり、準備に時間を要した。また、中学生の夏休み期間中である2019年7月8月には測定を実施できたものの、2020年3月の春休み期間中に予定していた測定は、新型コロナウィルスに対する感染リスクから中学生を完全に守ることができないと判断したため中止した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染状況を踏まえて、対象者の安全を確保できた場合のみ、測定を実施する予定である。そのため、今年度中に測定を実施することが難しいことも予想されるが、測定ができる見通しになった場合には、迅速に対応したい。
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Causes of Carryover |
研究期間中にMR装置の入れ替えや新型コロナウィルス感染拡大によって測定が思うように実施できていないが、測定可能な状況になった場合には、2019年度同様に対象者人数分の謝金やMR画像分析代を中心に支出が予想される。
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