2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K01605
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
島 典広 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (70363653)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 立ち上がり速度 / パワー / 日常動作 / 反動動作 / 高齢者 / スクワットトレーニング / 自体重負荷 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、50歳代15名(男性5名,女性10名)、60歳代23名(男性12名,女性11名)、70歳以上29名(男性15名,女性14名)を対象に、10回連続いす立ち座り運動における、各年代のパワー(速度)の特徴について明らかにするため、立ち上がり時の各回数における速度推移を分析した。その結果、1回目の値は年代間で差が見られないものの、2回目以降は50歳代が、60歳代や70歳以上よりも立ち上がり速度が速くなることが明らかとなった。また、すべての年代で2回目に立ち上がり速度が上昇し、その後3回目から10回目まで大きな差が認められなかった。以上の結果から、60歳以降にいす立ち座り運動の2回目以降の立つ速度が顕著に低下すること、高齢であっても自体重負荷での連続10回いすの立ち座り運動において筋疲労と考えられる速度低下によるパワー減少がなく、パワー評価のための体力測定あるいはトレーニングツールとして有用であることが示された。 2回目以降立つ速度が顕著に低下する60歳以降を対象に、年代間の反動動作の影響を検討するため、連続10回の動作を行った際に、各回で座る速度が立つ速度にどのように影響を及ぼすか検討した結果、60歳代(22名:男性12名,女性10名)よりも70歳代(13名:男性13名,女性10名)の座る速度が有意に遅く、相関分析により男女ともに60歳代では座る速度と立つ速度とに相関関係が認められるものの、70歳代では、最初の反動動作となる1回目の座る速度と次の立つ速度とに相関が認められなかった。以上の結果から、70歳代以降では座る動作が低下するとともに、座る動作を立つ動作に転換できずに反動動作が使いにくくなることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度途中の採択通知(10月下旬)ではあったが、個人的に本研究課題にかかわる実験準備を進めていたため、順調に課題が進展している理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
いす立ち座り動作遂行中に体幹を安定させるために一定の腹腔内圧をかけているとの仮説から、今後は研究計画案通り、体幹の安定性が前後方向の動揺を減少させ、円滑に立ち座り動作を行うことが可能となるかについて検討を行う予定である。腹腔内圧の立ち上がりと、被検者の足下に置いた床反力の鉛直方向の力の立ち上がり(Δ力/Δ時間)が効率よく実施される結果となると予想している。腹腔内圧の測定にはカテーテル型圧力センサー(Miller社製)を用い、肛門から約15cmの直腸圧を計測する。また、椅子たち座り運動の高速実施の安全性を検討すべく、運動中の血圧応答について検討を加える予定である。
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Causes of Carryover |
年度途中の採択通知のため、予定していた国際学会参加等による旅費や人件費を使用しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、研究計画を加速するため、国際学会等の参加や人件費を有効活用し分析を進めていく。
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Research Products
(4 results)