2017 Fiscal Year Research-status Report
小中高の連携を意図した表現運動の授業モデルの開発と実践
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16K01613
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
茅野 理子 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (60125812)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 舞踊教育 / 授業モデル / 表現運動 / 小中高連携 / 学習支援ソフト |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の目的は, 複数の公立小学校において表現運動の実践を行い, その有効性に関する分析データを得ることを中心課題とし, それらを踏まえて客観的検証のための方法を探究することであった。実践はまだ着手できていないが, 以下の成果が得られた。 1.12月に日本教育大学協会保健体育・保健研究部門舞踊研究会主催・宇都宮大学主管による第37回全国創作舞踊研究発表会を開催し, その中でシンポジウム「舞踊教育の未来を考える」を企画し, 2名の講師に基調講演を依頼するとともにその後質疑応答を通して舞踊教育の意義と課題について協議した(大学教員及び学生約100名参加)。また,舞踊作品発表の特別出演として県内中学校・高等学校のダンス部作品を招請し,中高大連携を考える上での参考とした。 2.小学校教科3回の実技において,授業後指導意欲が大きく伸びたクラスと停滞したクラスを比較することにより,有効な実践的指導力の修得に関して,事例考察をさらに深めることを目的として検討した結果,以下のことが考察された。指導意欲には,性差,中学校時のダンス経験,ダンス好きが関連している。授業を通して,「楽しさ」を感じ,そこから「できる」につながり,指導意欲を形成していく過程が示唆された。 3.本学部後期内地留学小学校教員の研究テーマである「郷土芸能を題材とした表現運動の教材開発」を指導し,共同研究とした。小学校教員に事前調査を行った後,大学生を対象として,日本民踊の特徴的かつ基本的な動きを習得した上で,動きの工夫へ発展させる授業実践を通して,学生は民踊への関心を深めるとともに自由で創造的な表現を楽しむことができ,学習の継続への意欲を示した。この結果を踏まえて,小学生を対象とした4時間扱いの単元計画と各指導案の検討を行った。小学校教員が作成したDVDは次年度に繋がる内容となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検討のための資料収集は引き続き行っているが,分析はまだ十分できていないこと。 小学校現場での授業実践が次年度に残された課題となっていること。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の目的は,表現運動・ダンスの授業モデルを確定することにある。 前年度に引き続いて調査・研究を行うとともに,以上を総括し,有効な表現運動・ダンスの指導実践につながる教材開発についてとりまとめを行う。教材開発した内容を実践により検証するとともに,そのまとめとして指導書と資料DVDを作成する。
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Causes of Carryover |
授業モデルの有効性に関する分析データの収集が次年度に残されたことなど,研究が遅れているため。 資料収集や調査のための郵送費と授業実践に関わる研究協力者への謝金と会議費用並びに旅費, 授業記録のための消耗品費用。 授業モデルのまとめとしての指導書及びDVDの作成費用と郵送費。
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