2019 Fiscal Year Research-status Report
自由度の制御から見た運動不振学生の運動制御・学習の特徴
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16K01614
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
古田 久 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (80432699)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2021-03-31
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Keywords | 運動不振 / 自由度 / 運動が苦手 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,運動不振を呈する者の効果的な学習支援策を考案するために,「自由度」の制御の観点から,運動不振学生の運動制御・学習の特徴を明らかにすることが目的である。本年度は2つの面で活動を行った。 第1はDCD(Developmental Coordination Disorder; 発達性協調運動障害)に関する国内及び国際学会に出席し、運動が苦手な学習者に関する最新の研究動向を把握することであった。具体的には、2019年4月に長崎大学で開催された第3回日本DCD学会学術集会と同年6月にユヴァスキュラ大学(フィンランド)で開催された第13回DCD会議に参加した。いずれにおいても医学的な立場からの研究が多い一方、体育指導を意識した研究が十分に進められていないことが明らかとなったので、本研究を進める意義を再認識した。 第2はバレーボールのアンダーハンドパス及び縄跳び動作のキネマティクスデータの収集と解析である。昨年度、デジタルビデオカメラ2台でデータの収集を試みたが,十分に精度の高いデータが得られなかった。そのため、本年度はデジタルビデオカメラを3台に増やし、データの収集と解析を試みたが、当初予定していたところまで進めることができなかった。したがって、研究期間を1年延長し、研究の完了を目指すことにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題を含む運動不振学生に関する一連の研究は6つのステップから構成される。ステップ1 で,大学生版の運動不振尺度を作成し,運動不振の判定法を開発する。ステップ2 で運動不振学生の体育授業における「つまずき」経験を検討し,運動不振を呈する者が苦手とする運動課題を明らかにする。そしてステップ3・4で球技系の運動課題,ステップ5・6 で,非球技系の運動課題における運動不振学生の動作を自由度の観点から分析するという計画である。 本来、本年度は最終年度であったため、全ての研究が完了している予定であった。しかし、令和元年度に運動不振の判定基準の再検討を行ったことや、デジタルビデオカメラを増やして動作解析を行う必要性が生じたため、研究を完了できなかった。そのため、研究期間を1年延長し、研究の完了を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度の研究計画では,引き続きバレーボールのアンダーハンドパスの動作の解析と縄跳び動作の解析を行う。熟達のプロセスにおいては,動作の変動と安定が繰り返される。このことは,練習の中で関節運動間の連結と独立により,自由度の拘束と解放が行われていると解釈できる。しかし,運動不振学生は,自由度の解放が遅い又は認められない等の非運動不振学生とは異なる制御方略を用いることが仮説として考えられる。 参加者は,アンダーハンドパス及び縄跳びのそれぞれの課題において運動不振学生8 名程度及び比較対象としての非運動不振学生8 名程度とする。運動不振学生の抽出には,大学生版運動不振尺度(古田, 2016)を用いる。デジタルビデオカメラ3台を用いて参加者の動作(アンダーハンドパス及び縄跳び)を撮影し,画像解析プログラムFrame-DIAS5を用いて解析する。以上の手続きによって得られたキネマティクスデータをもとに,相互相関係数を算出し,複数の関節動作間の関連を分析する。また,パフォーマンス指標(回数等)における違いも検討する。 前年度までは、本研究の代表者単独での遂行を目指していた。しかし、本研究で中心となる動作解析を行うために必要な代表者自身の専門的能力に限界を感じたため、来年度はバイオメカニクス等の専門家の助けを借りて確実に研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していた通りに研究を進めることができなかったため、研究期間を延長した。それに伴い、経費の一部を次年度に繰り越すことになった。
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