2018 Fiscal Year Annual Research Report
An investigation into the quality and further development of dedicated surfaces for the practicing of kendo based on subjective and objective evaluations
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16K01627
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
池田 孝博 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (90342401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 領 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (20184054)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 剣道 / 床サーフェイス / コルクマット / 客観指標 / 主観評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、すでに検証したコルクとゴムの配合による試作マット(マットⅠ)に対する主観評価の結果を踏まえて、新たに製作した改良マット(マットⅡ)に対する剣道実践者の評価データの収集を行った。なお、マットⅡの評価は、マットⅠの評価者を含む国内の剣道実践者(n=64)に加えて、日常の稽古環境が良好でないことが予想される海外の実践者として、英国の剣道実践者(n=45)を対象に、ウエールズ・カーディフで調査を実施した。日本のデータを分析した結果、マットⅠが体育館仕様のウレタン塗装に比べて、「すり足」動作はしやすいが、「踏み切り」動作に適していないと評価されたのに対して、マットⅡは「すり足」「踏み切り」「踏み込み」の動作に関係なく、ウレタン塗装よりも優れていると評価された。さらに、マットⅠとⅡの直接比較においては、「踏み切り」および「踏み込み」動作において、いずれもマットⅡが優れていると評価された。一方、英国実践者は、彼らの日常の稽古場よりも、3つのすべての動作に関してマットⅡの評価が高く、日英間の比較では日本よりも英国の実践者が、マットⅡを高く評価していることが示された。これらの結果から、マットⅡは、国内および海外のいずれの剣道実践者にとって、ウレタン塗装の体育館よりも剣道の動作がしやすいサーフェイスであることが明らかになった。 上記を踏まえ、補助事業期間全体を通じて実施した研究の成果は次の通りである。1)剣道用サーフェイスの客観指標は、従来の摩擦係数・滑り抵抗係数と比べて、本研究で開発した吸着力測定器が有用であった。2)しかしながら、人間の主観評価に合致する客観指標は得られなかった。3)剣道の競技場面での公平性・安全性、国際的な普及に資する稽古環境改善等を目的とした剣道用サーフェイスの開発において、コルクとゴムの配合によるマットの有用性が明らかになった。
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Research Products
(1 results)