2016 Fiscal Year Research-status Report
静的ストレッチング時の筋血液量変化による筋循環機能評価の試み
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16K01631
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
村岡 慈歩 明星大学, 教育学部, 教授 (70307990)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ストレッチング / 筋血液量 / 近赤外線分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,ストレッチングによる当該筋・拮抗筋の血液量変化が最大筋力発揮時のどの程度に相当するのかを明らかにすることを目的に,実験を行った. 被験者は仰臥位の姿勢をとり,右足の足部を筋力測定用のフットプレートに固定した.腓腹筋内側頭およびヒラメ筋の筋腹に近赤外線分光装置(NIRO-200, 浜松ホトニクス)のプローブを装着した.3分間の安静状態を維持した後,足関節角度15deg底屈位(解剖学的肢位を0degとする)にて,静的最大筋力発揮を行った.その後,5分間の安静状態を維持した後,足関節背屈の受動的なストレッチングを行った.足関節角度は検者により2deg/secの角速度で足関節の背屈を行った.各筋の筋血液量変化(総ヘモグロビン濃度変化)は連続的に測定した. 最大筋力発揮時とストレッチング時の筋血液量変化を比較すると,ストレッチング時の筋血液量変化は最大筋力発揮時の約1.7倍(腓腹筋内側頭),約1.9倍(ヒラメ筋)となり,ストレッチング時のほうが最大筋力発揮時に比較して,筋血液量変化は大きいことが認められた.どちらの試行も筋血液量においては減少の方向に働く負荷であるが,筋内の血管を伸長させるストレッチングのほうがより大きな筋血液量変化が見られることが示唆された. 現時点では,予備実験が終了し,他の協働筋および拮抗筋についても同様の実験を行うため,本実験に向けての準備を進めているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度内に終える予定の実験が完了せず,平成29年度の前半は,28年度の続きを行うこととなった.理由としては,実験のセットアップを予定通り進めることができず,開始が遅れたことが挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度内に終える予定の実験が完了していないため,平成29年度の前半は,28年度の続きを行うこととする.セットアップは完了したので,29年度予定の内容も準備しつつ,28年度分の実験を完了する予定である.
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Causes of Carryover |
実験が予定通りに進行しなかったため,次年度の実験実施時に使用することとした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本実験において,被験者の謝金に使用予定である.
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