2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of muscle circulation function by changing muscle blood volume during static stretching
Project/Area Number |
16K01631
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
村岡 慈歩 明星大学, 教育学部, 教授 (70307990)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 静的ストレッチング / 下腿三頭筋 / 筋血液量 |
Outline of Annual Research Achievements |
被験者は仰臥位姿勢にてフットプレートに足部を固定した.20分間の安静状態を維持した後,大腿部を210mmHgにて阻血し,足関節背屈の受動的ストレッチングを2deg/secの角速度にて開始した.ストレッチング角度は最大快適角度(痛みを感じる角度から3degマイナスした関節角度.今回は30deg背屈位)とし,30秒間維持したのち,元の安静時の足関節角度に戻した.さらにその30秒後に大腿部の圧を解放した.近赤外分光法により,腓腹筋内側頭(MG)とヒラメ筋(SOL)の筋酸素化動態を連続的に測定し,安静時からの総ヘモグロビン量(HbT)の変化を筋血液量変化として評価した.ストレッチングを開始すると,MGはストレッチ開始と同時に減少,30秒間の角度維持中は徐々に増加し,元の足関節角度に戻る際には増加の傾向を示した.一方,SOLは通常のストレッチ時と異なり,ストレッチ開始と同時に増加,30秒間の角度維持中徐々に増加し,元の足関節角度に戻る際には減少の傾向を示した.大腿部の圧を解放すると両筋ともに血液量は増加した.しかし被験者のうち約30%は,SOLもMGと同様にストレッチング中に減少を示した.全被験者で同じ血液動態を示したMGは,阻血無しの通常のストレッチング中に比較すると安静時からの変化の割合は約45%であった.以上のように,阻血によって心臓方向への血液還流が遮断された条件で得られた結果から,ストレッチングにおける筋の相対的な伸長度合いには協働筋間で差異があることが示唆された.
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