2017 Fiscal Year Research-status Report
体育科目とキャリア科目の連携を伴う野外教育におけるレジリエンスの育成
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16K01641
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
西村 次郎 岡山理科大学, 工学部, 教授 (50278909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 尚史 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (20229470)
松尾 美香 岡山理科大学, 工学部, 講師 (30521067)
望月 雅光 創価大学, 経営学部, 教授 (70284601)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レジリエンス / 教育効果 / ルーブリック / 科目間連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
カヤックを使った自然体験活動を取り入れたアクティブ・ラーニングの教育効果を検証するために、奄美大島(4泊5日)での実習を伴うスポーツとフィールド科学(エコツーリズムの野外スポーツ)授業を対象に研究を続けている。 授業直後の教育効果は、これまでの研究で明らかにできたが、その継続性が不明なため、2016年度と2017年度の受講学生を対象に追跡調査を実施した。その結果、調査の時点でも、いまだに仲良くできる仲間ができたこと、コミュニケーション力の向上やリーダーシップが向上したこと、困難への対処の仕方を学んだと回答していることから、学生が教育効果を継続的に実感できていることがわかった。また、学生へのインタビューから、この授業で学んだり身につけたことが、実際に他の授業や就職活動に活かすことができていることもわかった。
2017年度の実習には、障がいのある学生が合理的な配慮を行った上で参加してしており、そのことが教育効果に大きく影響していた。障がいをもつ学生に対して、単にサポートするのではなく、本当に必要な支援は何かと自立につながる支援を考えるきっかけの場になったと推測している。特に、グループで話し合い、学生間で配慮すべき内容やその範囲を決めて、支援していたこともわかった。また、障がいを持つ学生が困難を乗り越えて挑戦する姿を見て、他の学生も挑戦する大切さを学んでいた。
この一連の実習では、研究グループで開発したワークシートを活用しているが、これまでの調査を踏まえて、スキルやコンピテンシーの現状を把握させ、効果的な振り返りができるようなワークシートに改善することもできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書にしたがい、研究を進めている。研究分担者が他大学への視察を計画通りに行けておらず、特徴的な教授法や教育方法の事例を充分に収集できていない。その代替措置として、本学の授業を中心に調査を実施し、必要なデータを収集した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年次教育向け等の目的別プログラムを開発するために、教育手法と教育効果と整理したうえで、標準的なシラバスを作成し、授業に容易に取入れられるようにする。可能な限り授業実践を行い、教育効果を確認する。 授業の様子、カヤックの基本的な操作方法や潮の流れおよび風の影響等を解説したビデオ教材を作成する。このビデオを授業で実験的に活用し、他の教員でも授業を実施できるかどうか検証する。また、作成した尺度を使って、指導者が学生のレジリエンスを高めるための教材開発を行い、指導書を作成する。 これらの研究を踏まえつつ、引き続き、ワークシートの改善もすすめていく。
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Causes of Carryover |
(理由)研究分担者が予定通りの他大学視察に行けていないため、旅費の執行ができなかった。 (使用計画)視察調査を行うための旅費に充てる。
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Research Products
(2 results)