2016 Fiscal Year Research-status Report
市民ランナーの安全で効率良いランニングフォーム学習支援システムの構築
Project/Area Number |
16K01644
|
Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
得居 雅人 九州共立大学, スポーツ科学部, 教授 (00227571)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小木曽 一之 皇學館大学, 教育学部, 教授 (20249808)
宮瀬 紘平 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (30452824)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 市民ランナー / ランニングフォーム / センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
マラソンを楽しむ多くの市民が、効率よいランニングフォームの獲得を求めている。コーチのいないランナーにとって、自分でランニングフォームを学習できる方法の開発は有益である。本研究テーマでは、まず腕振りと足の動きの同調を意識したドリルがランニングフォームに及ぼす即時的な効果を検討する。 一般の市民ランナーに、ランニングフォーム改善につながるドリルを行わせ、その前後の走動作を比較した。ドリルの目的は、叩くような腕振りと着地を同調させ、脚の振り戻しの動きを身につけ、身体の下で着地するブレーキの小さい着地動作と、着地後に地面をしっかり押すことができる姿勢を作ることである。それを学習するドリルとして、①その場腕振りから・足踏み・ジョギング、②スクワット・スクワットジャンプ・連続ジャンプの2種類を行った。その際の意識する点として、身体の真下に足がフラットな感じで着地する、着地と腕振りを同調させる、着地と同時に、「しっかり踏ん張る」、「真上から押す」、「足の上に乗る」などの感覚を持つようにした。 その結果、次の変化が観察された。6’00”/kmと4’30”/kmにおいては、同等の速度で走っているにもかかわらず、PostではPreと比較してストライドの増大がみられた。ランニング動作においては回復脚の膝を締め(膝関節角度↓)て膝を高く上げる(大腿角度↑)フォームに変化した。このことは、地面をしっかり押す動作により導かれたものと考えられる。Maxでは、着地時に着地脚を振り戻して身体の近くで着地するフォームに変化した(着地距離↓、脚角度↓、大腿角度↓、下腿角度↓)。下に向けた叩くような腕振りと脚の動きを同調させるドリルが、足を身体の下で着地させようとする動きにつながったものと考えられる。 以上の結果から、本研究で行った腕と足を同調させるドリルはランニングフォームの改善に有効であることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の特徴は、ランナーのランニングフォームの特徴を捉えるためのセンサーを開発し、指導者のいない市民ランナーであっても自らがランニングフォームの改善に取り組むことができるようにしようとするものである。フォームの変化を最も反映できる特徴を見出し、センサーで捉えなければならず、現在進行中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
ランニングフォームの特徴を表す指標として筋活動に着目し、さまざまなレベルの市民ランナーのランニングフォームと筋活動を記録し、センサーの開発に取り組む。
|
Causes of Carryover |
準備が整わず、国際学会への参加を見送った。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果を国際学会にて発表する予定である。
|