2017 Fiscal Year Research-status Report
スキー滑走のための誘電特性を利用した雪面摩擦の研究
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16K01656
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
香川 博之 金沢大学, 機械工学系, 講師 (40251938)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スキー / 雪 / 摩擦 / 真実接触 / 誘電特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
静的接触の場合の真実接触面積評価方法を構築するため、昨年度に作成した倒立顕微鏡により雪表面を観察できる装置を使って、低温実験室でガラス面と雪粒子の接触面積の時間変化を調べた。観察時に接触位置を見つけやすくすることや、できるだけ全接触範囲について調べられるようにするために、試験片の小型化および顕微鏡ステージの改良を行った。これにより、荷重や温度を変えて真実接触面積の測定を試みた。 また、CAEによる電場解析結果をもとにして新たに小型櫛型電極を作成した。前述の静的接触と同様にこの櫛型電極を使って実験を行い、接触時間と誘電率の関係について調べた。これらの結果を比較することで、誘電特性により真実接触面積を評価することが可能になると考えられる。 昨年度に-1℃で融雪するトラブルの生じた直線滑走による摩擦実験を再度実施し、ポリエチレンやゴムについて詳細な静摩擦に関するデータを取得した。同様に動摩擦係数についても雪温、雪粒子径、滑走速度などを変化させて調べた。このとき、ポリエチレンやゴムの滑走体を複数作成し、表面エネルギーや表面粗さ、材料の粘弾性特性について調べた。 昨年度に開発した連続摺動装置を改良し、小型櫛型電極を組込み、周波数を一定にして誘電特性変化について調べた。摺動にともなう摩擦力変化について詳細に調べ、融解水の発生についても確認した。ただし、融解水発生時点の特定までにはまだ至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光学的あるいは電気的に荷重や温度を変えて真実接触面積の測定を試みた。ただし、工学的な方法は、観察場所の特定が難しく、実験データの歩留まりが低くなり、データ蓄積はまだ十分とはいえない状況である。 静摩擦および動摩擦実験については、昨年度は-1℃で融雪トラブルがあったが、本年度はそれを含めた実験を行うことができた。パレット交換により粒子径の異なる雪面に対して、ポリエチレンやゴムについて詳細な実験を行った。 連続摺動実験については、装置を改良し、誘電率を測定しながら行うことができた。このとき、新たに作成した小型櫛型電極を使用した。なお、融解水の発生は確認できたが、発生時点までははっきりできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
真実接触面積の測定についてデータを増やし、誘電率測定システムによる真実接触面積評価法の適用範囲について調べる。連続摺動装置を改良し、周波数を変えた誘電測定により、連続摺動実験における融解水発生時点の特定を試みる。さらに、櫛型電極を内蔵した滑走体により動摩擦実験を行い、融解水が生じるかどうかについて調べる。最後に以上の結果をまとめる。
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Research Products
(2 results)