2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K01658
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々木 康 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (00183377)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ネットワーク分析 / ネットワーク中心性分析 / コレスポンデンス分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は青年期データの収集・蓄積・分析を行った。青年期データについてはスポーツ系学生と指導者から抽出している。今年はデータ収集の際に特にデータ数が偏った場合の対処方法についての検討も行った。その手法とは例えば実際のサンプリングデータが200個の場合にそこからランダムに200個を抽出し平均値を算出してみて元来の200個の平均値と比較する統計的手法、モンテカルロ法のひとつでサロゲート法とも呼ばれるものである。今回はこの手法をコンピュータ解析で50,000回行うことを試行してデータの信頼性を得る手法として有用であることを確認した。この過程については現在、国際誌に登校中である。 またデータ収集方法として紙ベースではなくパット式画面を用いる手法についても29年度実施を目指して開発しており実施可能な段階に到達している。さらに近年多用され始めているフリーウエッブ調査手法(端末で回答したものを調査者サーバーに送信し自動集計される)の導入も試行し、データ収集効率の向上を企図している。 特に2015年に発表した関連論文「Proud Lonely Athlete」で議論した、「競技者・指導者は社会的コミットメントによって孤高の戦いに挑む誇りを有している」という考察の深耕を図ることが重要課題となるであろう。ここではスポーツ関連学生や指導者だけでなく一般学生および社会人の認識についてもデータの拡大が求められるであろう。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
データ収集手法の開発(フリーウエッブ調査による自動集計)、および解析手法の開発(ブートストラップ法によるデータ信頼性向上)段階において当初考えていた以上の進展がみられている。これは近年盛んになりつつあるビッグデータ分析の環境か急進し社会科学的アプローチ領域においても有用性が拡大していることが考えられる。一方で、個人データの取扱いについてのより慎重かつ厳格な倫理体制で臨む時期であることも十二分に認識を高めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
我が国におけるスポーツと社会的価値観研究は2020以降に向けて緊要な課題でありデータ蓄積および分析手法の精錬と実践を着実に進めるものである。オリンピックを中心にしたスポーツおよび競技大会の存続をめぐる議論の高まりを鑑みて「スポーツが社会に伝える社会的価値観」の実践的データ収集・分析・成果発表を行うものである。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた調査回数および打合せ回数が減少したため次年度使用額が生じました。これは本研究代表者が大学サバティカル期間になったためのものです。しかしながら当該年度においては研究手法開発等による当初予定していた段階より前進した部分も多くあり全体の研究計画遂行の遅れにはならないことを明記いたします。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に予定したデータ収集・調査および研究打合せを増加する。実際には各種に指導者講習会等のデータ収集機会の増大を計画している。
|
Research Products
(2 results)