2018 Fiscal Year Research-status Report
卓球のインパクト現象解明とボール回転とショット軌跡との関係に関する空気力学的研究
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16K01666
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
楠堀 誠司 県立広島大学, 生命環境学部, 准教授 (10513856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関矢 寛史 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40281159)
吉田 和人 静岡大学, 教育学部, 教授 (80191576)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 卓球 / インパクト / ボール |
Outline of Annual Research Achievements |
インパクト現象を知るために,まずインパクト時のボールとラバーの接触時間(インパクト時間)を調べた.その結果,ドライブ打法(n=4)は1.0005±0.0000msec,サーブ(n=5)は1.3007±0.2740msec,チキータ(n=32)は1.0787±0.18454msec,ナックル(n=84)は1.0303±0.21054msec,対下回転ドライブ(n=54)は1.0468±0.20077msec(いずれもMean±S.D.)であった.打法の違いとインパクト時間についてWilcoxonのノンパラメトリック検定を行ったが,有意差を得ることは出来なかった(p=0.0555).これらの結果から,打法によってインパクト時間に違いは無いということになるが,これは2000Hzでの撮影による限界であると考えられる. 予備実験の段階では,2000Hzでも打法によってインパクト時間が異なることが確認できたが,エリート選手の場合,ラバーの貼り方などに工夫が施され,高反発のラケットでの打球になり,実質的に2000Hzでの撮影では精確なインパクト時間の測定が出来ていないと考えられる.従って,当初はインパクト時のラケット上でのボールの挙動を含めたインパクトモデルを想定していたが,打法によるインパクト時間の差異を見出すことが出来なかったため,ラケットとボールのインパクトはラケット上の一点で行われるモデルを採用することになる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた分析用ソフトウェアの使用が困難であることが分かり,得られた動画の編集に時間をかなり要した.動画の分析にも時間を要しており,上記のような判断とした.
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Strategy for Future Research Activity |
ボールの回転軸,回転速度の計測などの為のプログラミングを進めているが,まずはインパクト直後のボールの回転軸,回転速度などを計測することを目的としたい.ボールの回転速度が分かれば,卓球ボールの空力学的特徴を精度高く知ることができ,これまで行ってきた研究結果との比較,検討を可能にすると考えている.
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Causes of Carryover |
大容量の動画を処理できる能力のPCやHDD等の準備が必要であったが,研究室内のスペース確保等に手間取り,結果的に必要な備品購入ができなかったためである.今後の使用計画としては,高速転送可能な大容量HDDの購入などに充て,分析をスムースに進めることを計画している.
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