2017 Fiscal Year Research-status Report
運動物体の認知・予測・運動制御局面におけるエラーと捕捉パフォーマンスに関する研究
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16K01670
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
竹市 勝 国士舘大学, 政経学部, 教授 (30265962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 健之 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (20397095)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 予測特性 / 認知特性 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、各種スポーツにおいて重要な捕捉動作について、認知・予測・運動制御の特性との関連について検討することである。 平成29年度は、前年度立案した以下の4つの実験タスクをベースに研究を進めた。①位置認知タスク:板の前面を落下中に板を変色させ、その時の物体位置を回答する。② 位置予測タスク:板後方を落下し、遮蔽後に板を変色させ、その時の物体位置を回答する。 ③ 到達時刻予測タスク:運動物体が目標位置を通過すると予測される時刻にボタンを押す。④ 運動制御タスク:実験的にタイミング(時刻)と標的位置を規定し、タイミングにあわせて標的位置に手を移動させる。 ①位置認知タスクと②位置予測タスクについては、平成28年度、若年者グループ(19-38歳)と高齢者グループ(64-81歳)の2群について検討したが、平成29年度は収集データをさらに追加し、19歳から81歳までのデータを10-20歳代、30-40歳代、50-60歳代、70-80歳代の4群に分け、さらに細かく加齢変化の状況について検討した。③到達時刻予測タスクについては、実験用ソフトの作成中である。④運動制御タスクについては、現実環境の実験装置を作成し、予備実験を実施した。 もう一つの現実環境実験として、ゴルフのパッティングにおけるボールへの注意配分減少により低減する距離感が、技能レベルによってどの様に変化するか、またトレーニングの可能性について検討した。ボールへの注意配分を減少させるため6桁の数字を記憶させ、初心者と中級者および上級者(プロおよびハンディキャップ5以下)を比較した。その結果、技術レベルが上がるにつれボールへの注意配分減少の影響を受けにくくなる可能性が示唆された。したがって、トレーニングによりゴルフの技能が向上したと仮定すると、ゴルフパッティングの距離感低減錯覚が、トレーニング出来る可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験システムの検討、ソフト作成に時間を要し、一部の実験が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
現実環境における運動制御(実技)課題について、今年度の予備実験を基に実験装置、手順について再検討する予定である。これまで計画した課題よりもさらに条件を簡略化および細分化した課題を再検討し、より基礎的な部分の課題実験により、ベースとなるデータを蓄積し、今後の研究に向けての土台(実験結果)を頑健なものにする。
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Causes of Carryover |
日程の調整ができず、学会参加のための出張を1件見送ったため執行できなかった。
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