2016 Fiscal Year Research-status Report
一流柔道選手のトレーナビリティーを規定する遺伝子多型の同定と引退後への応用
Project/Area Number |
16K01674
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
上水 研一朗 東海大学, 体育学部, 准教授 (40439659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 康生 東海大学, 体育学部, 准教授 (00609430)
町田 修一 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 先任准教授 (40421226)
有賀 誠司 東海大学, スポーツ医科学研究所, 教授 (90287037)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 遺伝子多型 / 柔道 / 競技能力 / 筋力 / トレーナビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツの競技能力はトレーニングや栄養などの環境要因と遺伝要因によって決定される。大規模な疫学調査では、競技能力の約7割は遺伝要因によって決定されるとの報告もある。しかしながら、この遺伝要因がどのようなメカニズムで競技能力を規定しているのかについては十分に明らかにされていない。競技能力に関連する遺伝子多型は70以上報告されている。しかし、これらの多くの知見は主に欧米人が対象とされており、日本人を含むアジア人を対象とした研究は少ない。柔道は筋力や筋量が必要な競技であるため、競技能力に関連する遺伝子多型は筋量のトレーナービリティにも関係する可能性があると仮説を立てた。そこで本年度は、αアクチニン3(ACTN3)遺伝子、アンジオテンシン変換酵素(ACE)遺伝子、インスリン様成長因子2(IGF2)遺伝子と骨格筋量のトレーナービリティとの関連性を明らかにすることを目的とした。 対象者は全日本学生柔道優勝大会で最多の優勝回数を誇るT大学男子柔道部の現役学生とした。遺伝子多型解析は唾液からDNAを抽出し、PCR法またはPCR-RFLP法のどちらかによって、ACTN3、ACE、IGF2遺伝子多型解析を実施し、現在までに一部終了している。さらに、対象者には体組成測定器(Inbody770)を用いて、夏と冬に測定を実施し、2年間追跡を行った。測定は、トイレ後の運動前の朝に実施された。現在、2年目の測定中である。2年分の骨格筋量および部位別骨格筋量の変化量を確認し、遺伝子型別に分析予定である。また、骨格筋量を体重で除した値を骨格筋率とし、同様の分析も実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究環境の変化に伴い、遺伝子多型解析の依頼先の再検討を行った。 そのため、遺伝子多型解析の実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
実施途中の遺伝子多型解析を終了させ、2年間の骨格筋量の変化率との関連性を検討する。その結果を受けて、それ以外の遺伝子多型を分析するかどうかを決定し、研究を進める。 さらに、引退後の検討を行うために引退した選手を対象に、体重や体組成測定を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、遺伝子多型分析の環境変化に伴い、分析を次年度以降に持ち越したため、差額分が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
生じた差額分は、本年度実施予定であった遺伝子多型の解析に使用する。
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