2019 Fiscal Year Annual Research Report
The commonality and originality of sports mental training and sports counseling
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16K01675
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平木 貴子 日本大学, 経済学部, 講師 (00392704)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 心理サポート / メンタルトレーニング / スポーツカウンセリング / 専門家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,アスリートに対する心理サポートのアプローチ法として,スポーツメンタルトレーニング(以下,SMT)とスポーツカウンセリング(以下,SpC)に注目し,両者の差異や共通点を明らかにすることを目的とした.研究を遂行するにあたり,2つの検討課題を設定した.【検討課題1】心理専門家を対象にサポート形態を調査し,サポート対象者や主訴,展開などを整理し,拠って立つアプローチ法によるサポート傾向を検討した.【検討課題2】同一のサポート事例に対するSMT・SpCそれぞれの立場から見立てと介入方針を比較検討した.検討課題1・2ともに,資格取得後5年以上のサポート実績を有する者を対象に面接調査および事例検討を実施した.分析にあたり,心理サポート時の態度として指導に重きを置いている心理専門家をSMT群,心理サポート時の態度として傾聴に重きを置いている心理専門家をSpC群とした. 【検討課題1】SMT群であっても4割程度は傾聴的関わりを重視し,SpC群であっても2割程度は指導的関わりであることが示された.また,サポート活動の中で,資格取得時に重視していたアプローチから変遷する事例,異なる理論的枠組みのアプローチ法を折衷的に用いている事例が確認された.サポート対象者の来談時の主訴として,「対人関係」「情緒的問題」「動作」が比較的高頻度であることが確認されたが,両者による来談時の主訴の比較は,顕著な差異はみられなかった. 【検討課題2】同一事例による事例検討においては,SMT群では,心理技法の提供からサポートを開始することを検討し,要望に基づいて当面のサポート期間を具体的に設定する傾向がみられた.SpC群は,主訴の背景となる心理的課題(主体性のなさ,自己コントロール感の欠如,自立・自律の獲得)に働きかける心理介入方針を想定し,当該事例の見立てにおいては長期間のかかわりを想定する傾向が示された.
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