2016 Fiscal Year Research-status Report
呼吸筋トレーニングが持久性能力を高める生理的メカニズムの究明
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16K01678
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
山地 啓司 立正大学, 法制研究所, 特別研究員 (50012571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 誠仁 山梨学院大学, スポーツ科学部, 教授 (30176599)
山本 正彦 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (40339809)
鍋倉 賢治 筑波大学, 体育系, 教授 (60237584)
清水 茂幸 岩手大学, 教育学部, 教授 (70272185)
中垣 浩平 山梨学院大学, スポーツ科学部, 准教授 (30549473)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 呼吸筋トレーニング / ノーズクリップ / 競歩選手 |
Outline of Annual Research Achievements |
持久性運動によって呼吸筋は疲労し,また,呼吸筋トレーニングによって呼吸筋の筋力や持久力が改善することが報告されている.しかし,呼吸筋を鍛えることが持久性運動のパフォーマンスに好影響を与えるか否かについてはまだ十分に統一された見解が得られていない.その原因の1つは,これまでの呼吸筋トレーニングが一般に静止状態で実施されており,専門とする運動様式に即した運動中に実施されていないことにある.そこで本研究は競歩のトレーニング中にノーズクリップを用いた呼吸筋トレーニングを行うことが,呼吸筋機能やパフォーマンスへどのような影響を与えるかについて検証した.被験者は専門的に競歩のトレーニングをしている大学競歩選手7名であった. 被験者はノーズクリップをして競歩トレーニングをする実験群(4名)とノーズクリップをしないで競歩トレーニングをするコントロール群(3名)を無作為に選び,8週間のトレーニングを行った後は実験群とコントロール群を入れ替え,再度8週間のトレーニングを行うクロスオーバー式のトレーニング実験を行った.その結果,実験群は吸気筋力が23.6%増加した.また負荷漸増法によるトレッドミル歩行テストでは,最高歩速度(MWV)が1.96%,換気性閾値におけるランニングスピード(vVT)が4.07%それぞれ増加傾向を示したが,いずれの群においても有意な改善が認められるまでに至らなかった.しかし,vVTやMWVに改善傾向が認められたことから,トレーニング回数を増やし,また,強度や時間の漸増を図ることによってノーズクリップを用いた呼吸筋トレーニングがパフォーマンス向上に役立つ可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年、持久性の競技力向上のために呼吸筋トレーニングが有効であることが海外で報告されている.しかし、これまでの呼吸筋トレーニングが専門とするスポーツのトレーニングとは別に、静止状態での比較的高価な器具を用いたトレーニングで、しかも対象者がレクレーション的に運動を行っているものに限定されていた.そこで、平成28年度には大学競歩競技者を対象に、競歩のトレーニング中に廉価なシンクロナイズ・スイミング用のノーズクリップを鼻部に着用して、8週間の呼吸トレーニングを実施した.その結果、日々激しいトレーニングを実施している競技選手でも、呼吸筋トレーニングによってパフォーマンスが向上する傾向を示した.しかし、当初9名の被験者の中2名がドロップアウトしたことが影響して、統計的に有意な改善を示すまでに至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究では被験者数が7名と少ないことが影響して統計的に有意な改善が現れるまでに至らなかった.その原因として、被験者数が少なかったことに加えて、競歩選手の呼吸量(肺換気量)がランニングに比べて高くならないことが明らかになった.すなわち、競歩選手ではノーズクリップを着用する呼吸筋トレーニングでは強度が不足すると考えた.そこで、今年度は箱根駅伝の常連校の選手を対象(実験群12名、コントロール群10名の計22名)に、ランニング中にノーズクリップを着用する呼吸筋トレーニングを8週間実施し、その前・後の呼吸機能、生理的応答、パフォーマンスを比較することによって、呼吸筋トレーニングの有効性とパフォーマンス向上のメカニズムを検証する.
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Causes of Carryover |
28年度では、当初被験者が9名いたが、途中で1名がけがのため、また1名が中間テストの日にフルマラソンに出場したため、最終的には7名が実験対象になった.そのことが影響して、若干予算が今年度の予算に繰り越されることになった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は実験群の中からドロップアウトする者がいることを見越して、2名分余分に予算を回すことを計画している.
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Research Products
(2 results)