2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K01699
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
橋本 純一 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (60189488)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 欧州先進スタジアム / 観戦空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境面やサスティナビリティ(持続可能性)において国際的に評価の高いドイツのスタジアムの設計担当者らへのインタビューと重要ドキュメントの分析により、デザインの特徴・コンセプトはいかなる経緯と要因で決定していったのかを明らかにする計画であった。ドイツ語に堪能なドイツ在住コンサルタントの協力の下に、主にSCフライブルクのホームスタジアムに関する観戦空間の現地調査を核として遂行した。 直接的にスタジアム設計を担当した会社のデザイナーとは諸事情によってインタビューできなかったが、自治体の担当者とサッカークラブの新スタジアム計画担当者に半構造化インタビューを実施し、その詳細を知ることができた。 特に環境問題や機能性で地域住民との対立のあったスタジアム建設に関してのリサーチを計画通り行った。ドイツ・フライブルクでは、「税金のムダ使い」などと揶揄されることのない、費用対効果の良好なスタジアム設計(過程、手続)とその環境の有り様はどのようなものか、あるいは事業仕分けの対象にならないエコ・フレンドリーですべてのステーク・ホルダー(利害関係者)が満足する観戦環境が出来上がるにはどのような手続を必要としているのか等の点を明らかにすることができた。さらに、どのような社会・文化的・環境的背景が影響していたかを比較文化論的に明らかにし、今後のスポーツ観戦空間の望ましいあり方に関して提案することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
欧州の先進的サッカー観戦空間のリサーチに関しては、ほぼ計画通り順調に進展している。 但し、国内観戦空間と米国の野球観戦空間についての調査が諸事情により実行できなかったので上記のような評価となる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、これまでに諸事情で遂行できなかった国内観戦空間と米国の野球観戦空間についての調査を実行する。 その上で、3年近くに及んだ国内外で一般的評価の高いスタジアムと評価の低いスタジアム両者の建設政策決定過程とデザイン決定過程、及びその場所性を人文社会科学的(文化論的)に分析を終えて、望ましいスタジアムの建設/設計様式及び場所性について最終的な提案をする。
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Causes of Carryover |
予定していた国内の観戦空間調査が諸事情により実施できなかった。またドイツでの調査にあたって当初想定していたコンサルティング料金よりも安価であったため。 次年度使用額は、H30年度請求額と合わせて、予め計画していた国外調査とH29年度に実施できなかった国内調査を遂行するために使用する。
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