2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study on design and policy making of spectator sport environment
Project/Area Number |
16K01699
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
橋本 純一 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (60189488)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 政策決定過程 / 観戦環境 / スタジアム建設 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの一連の研究において、ポピュラー・スポーツ(特にサッカーや野球)の観戦環境(スタジアム/アリーナ)は、時代の潮流や社会や社会関係と同調あるいはネゴシエーションを経ながら新設または改修が行われてきたこと、そしてその際、スポーツ観戦空間は、経済的パワー、 政治的パワー、文化的パワーの重層的な交渉状況によってさまざまな様態を現わすことを検証してきた。 最終年度は、まずスポーツ観戦空間の意味により深く迫るため、伝統的なスポーツ・ベニューの意味を検証した。次に、それを踏まえた上で、変容する現代スポーツ・ベニューの実態を当該課題で訪れたベニューを中心に詳述し、未来のスポーツ・ベニューの行方について、どのように発展/進化してゆくのか、或いはどのようなポジティブな発展が考えられるのかをクリティカルに検討した。 当該課題の成果から最終的に明らかになったこととして、以下の4項目があげられる。①スポーツ観戦環境についてのあらゆる政策決定過程において、市民が参画し、課題解決の手続は常に民主的かつ透明性を持って進めることの重要性。②スポーツ観戦空間はこれからも喜怒哀楽等の諸感情、政治的野望、文化社会的価値/イデオロギーを反映させながら、これまで変容させてきた諸パワーをもって、これまで以上のスピーディな工期で建造され、デザインもより洗練されて行くであろうこと。③その際、意味のある空間とは、場所への愛着(トポフィリア)が湧くか否か、家あるいは家族的感情、さらには神聖な感情を抱けるか否かが重要で、特に諸感覚(五感)へのアピールとその共振/共鳴において新テクノロジーが大きな役割を担ってゆくであろうこと。④グローバル都市として再活性化する中核ツールとしてのスタジアム建設は、ユニークかつローカルなアドバンテージ/エレメントをいかに発掘し、盛り込み、進展させてゆくかが鍵になること。
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