2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of circadian rhythms by light and physical exercise
Project/Area Number |
16K01723
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山仲 勇二郎 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (20528343)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 運動 / 高照度光 / メラトニン / 生物時計 / 交感神経活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高照度光下での運動により生物時計の調節が促進されることを報告した先行研究(Yamanaka et al. Am J Physiol Regul Comp Physiol 2014)において未解決問題であった運動により生じる様々な生理応答の中で交感神経活動の関与について検証した。運動は交感神経活動を亢進させるが、運動による交感神経活動の亢進そのものが生物時計に影響するかを検証するため、5ルクス以下の低照度環境下で1時間の運動を就寝時刻の1時間前から行わせた。生物時計に対する作用は、メラトニン抑制試験により評価した。交感神経活動の亢進度は心拍数から評価した。その結果、低照度環境下では非運動条件に比較し1時間の運動により心拍数が有意に上昇したが、唾液中メラトニン濃度には非運動群と運動群の間に有意な差は認められなかった。この結果から、運動による交感神経活動の増加は生物時計に対する作用は弱いことが示唆された。次に、高照度光下で運動を行わせる実験を実施した。この実験では、低照度条件、1000ルクスの光を浴びる条件、光を浴びながら低強度運動を行う条件、光を浴びながら高強度の運動を行う条件を設定した。その結果、光を浴びながら低強度・高強度運動を行った両条件では唾液中メラトニン濃度は低照度条件に比較して有意に低い値を示したが、運動強度の異なる2条件間には有意な差は認められなかった。心拍数の変化については、低強度運動と高強度運動では運動中の心拍数には有意な差が認められた。つまり、運動の生物時計に対する作用は光の感受性を増強させることで光による生物時計の調節を促進する可能性が示唆されたが、運動強度には依存せず低強度の運動であっても光の作用を増強することが可能であることが推測された。
|
Research Products
(7 results)