2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者において身体的トレーニングにより脳血管拡張機能は改善するか？
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16K01729
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| Research Institution | Hokusho University |
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Principal Investigator |
井出 幸二郎 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (00526783)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖田 孝一 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (80382539)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 脳血管 / 高炭酸ガス / 低酸素 / 近赤外線分光法 / 全身持久力 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
脳の血管は酸素分圧(PETO2)及び二酸化炭素分圧(PETCO2)の変化に対して敏感に反応し、炭酸ガス負荷に対する脳血管の反応性は動脈硬化や加齢によって低下することが報告されており、このような血液ガス分圧の変化に対する脳血管の反応性が習慣的な身体活動により影響を受けるか否かについて、横断的に検討した。最初に取り組んだ研究では、高炭酸ガスを二回吸入させる二呼吸法を用い、PETCO2の上昇に対する血管の反応が最大酸素摂取量や血圧脈波速度指数と相関するか検討したところ、二呼吸法によるPETCO2の上昇に対する脳血管の反応性は最大酸素摂取量とも血圧脈波速度指数とも相関しなかった。そこで、二呼吸法による動的なPETCO2の上昇に対する脳血管反応ではなく、他の研究と同様の炭酸ガス負荷法により、静的なPETCO2の上昇に対する脳血管反応を評価することとした。さらに脳血管の拡張反応を引き起こす方法に低酸素負荷を取り入れた。この研究では、2分ごとに吸入する二酸化炭素を多段階に上昇させる炭酸ガス負荷方法により、PETCO2の上昇に対する血管の反応、および、2分ごとに吸入する酸素濃度を多段階に低下させる低酸素負荷によるPETO2の低下に対する脳血管の反応性、それぞれが、最大酸素摂取量や血圧脈波速度指数と相関するか検討した。その結果、静的な炭酸ガス負荷方法により評価した、PETCO2の上昇に対する血管の反応は、二呼吸法の結果と同様に、最大酸素摂取量や血圧脈波速度指数と相関関係は認められなかった。一方、PETO2の低下に対する脳血管反応は、血圧脈波速度指数との相関は認められなかったが、最大酸素摂取量と相関することが明らかとなった。本研究では、吸入する二酸化炭素と酸素を調節する実験システムを自作し、低酸素、高炭酸ガス、それぞれの影響を観察することができるようになり、世界で最初の知見を得ることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
最初に取り組んだ研究課題では、高炭酸ガスを二呼吸させる二呼吸法を用い炭酸ガス負荷を行い、二酸化炭素分圧の変化に対する脳血管反応を、自己回帰移動平均モデルを用いて評価する計画であった。しかし、高炭酸ガス負荷がかかっていない状況においても想定以上に血流変化が生じ、本研究で用いた高炭酸ガス二呼吸法及び近赤外線分光装置で得られた二酸化炭素分圧の変化と血流の変化のデータには、自己回帰移動平均モデルをあてることが適当でないと判断し、他の研究と同様の超音波ドップラー装置が使用できるようになるまで、二呼吸法を用い炭酸ガス負荷法を用いた研究課題は先送りとした。次に、本研究で使用する近赤外線分光装置を用いて血管反応を評価する場合、二酸化炭素分圧及び酸素分圧をそれぞれ調整する必要がある。例えば、通常では低酸素負荷では換気量の増加により二酸化炭素分圧が低下し、低酸素の血管拡張の効果を打ち消してしまうため、低酸素により換気量が増加しても二酸化炭素分圧が低下しないように吸入する二酸化炭素の濃度を調整する必要がある。この吸入ガス濃度調整システムの作成に予想以上の時間がかかり、研究の遅延につながった。
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、対象者を高齢者とし、計画通りに実験を進める。
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| Causes of Carryover |
2年目に計画していた研究が遅延し、3年目に持ち越し、人件費・謝金を使用しなかったため。最終年度に高齢者を対象とした実験を計画しており、人件費・謝金として使用する計画である。
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Research Products
(3 results)
