2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢者において身体的トレーニングにより脳血管拡張機能は改善するか?
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16K01729
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Research Institution | Hokusho University |
Principal Investigator |
井出 幸二郎 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (00526783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖田 孝一 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (80382539)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳血管 / 低酸素 / 脳血管拡張反応性 / 全身持久力 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の若年者を対象とした研究では、全身持久力の指標である最大酸素摂取量と低酸素負荷に対する脳血管反応性に正の相関関係があることを明らかにした。高齢者において、日常の身体活動量が多く全身持久力が高い高齢者では、心拍変動が高く、動脈の弾性が高く、脳の血管の低酸素に対する反応性が高いと本研究では仮説した。 仮説の検証のために、高齢者を対象に漸増運動負荷試験、血圧脈波の測定、臥位安静時心電図記録、安静時の低酸素負荷試験を行った。全身持久力の評価には無酸素性閾値、血管の硬度の評価には心臓足首血管指数、自律神経機能評価には心拍変動、脳血管拡張反応性の評価には 安静時の低酸素負荷試験を行った。脳血管拡張の指標には、近赤外線分光装置を用い、総ヘモグロビンの相対的な変化を用いた。対象者に、フィットネスクラブに通う高齢男女30名を動員した。さらに、マラソンを主とする活動するマスターアスリート10名を動員した。これらの60歳~78歳までの高齢男女40名を対象とした。 現在、これらの対象者からデータをもとに、仮説の検証を行っている。 本研究のオリジナリティは低酸素吸入による換気の増大が起こっても呼気終末二酸化炭素分圧をベースラインで安定させた状態で低酸素負荷を加える方法を用いることであった。低酸素負荷試験に対して個々の呼吸や心臓循環の反応性は異なるものの、吐き気や頭痛が起こることもなく、高齢者においても低酸素負荷試験は遂行することができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた高齢者30名の測定は達成したが、若年者と異なり、多くの対象者は何らかの生活習慣病を抱え、服薬していることが明らかとなり、対象者の追加が必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
多くの対象者が降圧剤等の服薬をしており、血管に対する薬の影響もあると考えられ、服薬していない対象者を追加する。また、身体活動量及び全身持久力が高い女性の対象者の動員も行う。
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Causes of Carryover |
初年度に研究計画通りに研究を進められず、研究が大幅に遅延したこと、最終年度に縦断的な研究計画であったが、北方圏特有の季節による移動の不便さから、縦断的な研究を次年度に持ち越した。研究を1年延長したため、今年度行う縦断的な研究において使用する計画である。
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Research Products
(2 results)