2017 Fiscal Year Research-status Report
日本人女性アスリートのエナジー・アベイラビリティー適正値の検討と評価方法の確立
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16K01739
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| Research Institution | Waseda University |
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Principal Investigator |
田口 素子 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (90360734)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 俊 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (70164069)
本 国子 聖徳大学, 人間栄養学部, 助教 (60413209) [Withdrawn]
難波 聡 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40419718)
高田 和子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部, 室長 (80202951)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 女性アスリート / エネルギー摂取量 / エネルギー消費量 / 運動時エネルギー消費量 / エネルギー・アベイラビリティー / エネルギーバランス / 月経状況 / 女性内分泌 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
大学生女性アスリート22名(競技: サッカー、ラクロス、水泳)のデータについて検討した。正常月経周期を有する者(正常月経群)は12名、月経異常の者は10名であり、うち2名が無月経であった(月経異常群)。身長、体重、体脂肪率は月経異常群が有意に低値を示したが、除脂肪量(FFM)には有意差は認められなかった。エネルギー及び主要栄養素の摂取量も群間差は認められなかった。また、貧血指標や栄養状態を示す血液データは両群とも正常範囲であった。しかし、1日当たりの安静時代謝量(REE)は正常月経群と比較して月経異常群で有意に低値を示した。FFM当たりでも同様の結果であった。アスリート向きのREE推定式(Taguchi et al. 2011)を用いてREEを推定したところ、推定値には有意差は認められなかったが、月経異常群の測定値と推定値の比率は有意に低値を示した。
血中ホルモン濃度は正常範囲内とはいえ、月経異常群でトリヨードサイロニン、卵胞刺激ホルモン及びプロゲステロンにおいて低値を示した。本研究の月経異常群では月経異常の初期段階としてプロゲステロンや卵胞刺激ホルモンが低値を示し、排卵障害の可能性があると考えられる。また、トリヨードサイロニンは甲状腺ホルモンであり、エネルギー代謝を促進する役割を持っている。REE測定値と推定値の比率は代謝の抑制の程度を示すとされ、先行研究では0.9を境にホルモン濃度が変化することが示されている。本研究の月経異常群では0.89となったことから、エネルギー代謝の抑制が起こっていた可能性が考えられる。
以上より、月経異常を有する女性アスリートの安静時代謝量は、正常月経アスリートと比較して低値となることが明らかになった。引き続き、月経状況群ごとにエナジー・アベイラビリティーやエネルギーバランスについても検討を加えているところである。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はエネルギー摂取量の評価や被験者募集に関わる作業を担当していた研究分担者が8月より産前産後の休暇及び育児休業を取得したため、研究実施計画の変更を行い、別途測定補助者を雇用するなどをした。しかし、彼女が職場復帰し、少しずつ測定験者として仕事をすることができるようになったため、本研究課題の進捗状況としては概ね順調に進展している。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られているデータについての集計と解析作業を進めていく予定である。本研究は、日本人女性アスリートのエナジー・アベイラビリティーの適正値及びカットオフ値を検出し、スポーツ現場で応用可能な評価方法を導き出すことを目的としている。各身体的パラメータとエネルギー状態との関連についてより詳細に検討する予定である。検討を進める中で追加測定が必要な場合は測定を実施する。
本研究課題でこれまでに得られたデータについては英語論文として投稿できるようにまとめ作業を行っているところであり、2018年5月末から開催されるアメリカスポーツ医学会においてもポスター発表を予定している。
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| Causes of Carryover |
データを検討した結果、追加測定の必要がある場合の測定費用、被験者謝金等に使用するほか、本研究課題の成果を発表するための旅費として使用する予定である。
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