2016 Fiscal Year Research-status Report
筋膜の役割を実験とシミュレーションの両面から解明する
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16K01740
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
衣笠 竜太 神奈川大学, 人間科学部, 准教授 (10409378)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 筋膜 / 張力 / 歪み |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、筋膜が踵骨変位量の増幅メカニズムと腱張力に及ぼす影響を実験的に検証し、シミュレーションを用いて筋膜の役割を増幅メカニズムと腱張力の観点から明らかにすることを目的とする。平成28年度の実績は以下の通りであった。 (I) Wistar 系ラット8匹を用いた。ラット専用ダ イナモメータを使って関節トルク(張力)を測定した。筋収縮は、腓骨神経への電気刺激によって誘発した。微小マーカを表層に貼付し、真上からの高速度カメラ(フレームレート500 Hz)によって筋収縮時のマーカの移動量を計測し、そこから筋全体と筋腱移行部の歪みを算出した。足関節角度と踵骨変位量は側方のカメラで計測した。筋は一番外側の筋膜、その内側の筋 上膜によって覆われており、それらの表層部分をそれぞれ切除した。実験は、切除なし、筋膜のみ切除、筋膜・筋上膜の切除、の3条件行った。 (II) 光学顕微鏡による筋膜と筋上膜の組織学的観察 前脛骨筋を縦断面と横断面に切断し、ヘマトキシリン・エオシン染色(HE染色)によって組織切片を作成した。光学顕微鏡を用いて、前脛骨筋とそれを覆う筋膜と筋上膜の組織学的な相互の位置関係を観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記2つの実験の実施が完了しており、現在、データの解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、筋骨格の有限要素モデルの開発と増幅メカニズムのシミュレーションを行う。また、実験データの解析が終了次第、論文執筆を進める。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、論文投稿まで達しなかったため、論文投稿に必要な英文校正、投稿費、掲載費が不必要だった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用額は、論文投稿に必要な英文校正、投稿費、掲載費などに充当する。
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