2017 Fiscal Year Research-status Report
リスクに対する熟慮型及び直観型の意思決定能力の形成をめざす系統的プログラムの開発
Project/Area Number |
16K01758
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
西岡 伸紀 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (90198432)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 意思決定 / 健康課題 / 意思決定場面 / 小中高校生 / 米国健康教育基準 / 指導目標 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の目標は,①米国健康教育基準とHECATにおける健康課題別の意思決定スキルの指導目標の分析,②小中高の保健及び家庭の教科書における意思決定課題の抽出と整理,③それらを踏まえた小中高校生を対象とした意思決定に関する意識や実施状況の調査項目の検討であった。 そのうち①については,課題としてのアルコールと薬物、精神と情動,安全、性、たばこ、暴力防止,食事、運動に関して,学年段階別の指導目標を分析した。学年段階は,PreK-G2,G3-5,G6-8,G9-12である。その結果,意思決定の特徴として,まず,問題ある行動や不健康な行動の有害性を挙げるのではなく,そのような行動をとらないことの良い結果やメリットを説明するものが多かった。また,不健康や危険性のある行動の代わりになるものや行動を挙げさせる傾向が強かった。これらは,アルコールと薬物,安全,性,たばこ,食事,運動で認められた。一方,精神と情動での扱いは特徴的であり,精神・情動や他人の行為等の意思決定への影響,対人関係問題解決のための意思決定の在り方が取り上げられていた。また,意思決定の目標は,課題によって異なっていた。例えば,安全(緊急電話),暴力防止,食事,運動では,幼少期から子どもが選択することを求めていたが,性については,高学年段階で選択を求めていた。したがって,発達段階や健康課題の発生状況を踏まえて,指導目標を柔軟に設定する必要があることが明らかになった。 ②の教科書分析については,中学校保健の分析を進めている段階である。また,意思決定を含むと考えられる資質・能力の形成を目標とする小学校,中学校における新学習指導要領及び同解説が発行され,同体育編,同保健体育編における意思決定の位置づけを分析した。③は未着手である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年7月に小学校及び中学校の新学習指導要領解説が発行され,同体育編(小学校),保健体育編(中学校)の分析が必要となり,それらに時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
学習指導要領解説体育編,保健体育編における意思決定の分析結果をまとめる。また,昨年度の課題である小中高の保健及び家庭の教科書における意思決定課題の抽出と整理,それらを踏まえた小中高校生を対象とした意思決定に関する意識や実施状況の調査項目を検討する。さらに,小中高校生を対象とした意思決定に関する意識や実施状況の調査票を作成し,調査を行う。
|
Causes of Carryover |
新学習指導要領解説保健体育編(中学校)における意思決定等の資質・能力の分析を行ったため,当初予定していた意思決定に関するフォーカスグループインタビュー調査,質問紙調査に着手することができなかった。
|
Research Products
(4 results)