2017 Fiscal Year Research-status Report
大学における性暴力被害者に対する支援モデルの確立に関する調査研究
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16K01759
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
河野 美江 島根大学, 保健管理センター, 准教授 (20506472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 美輪子 島根大学, 地域包括ケア教育研究センター, 研究員 (70750644)
執行 三佳 島根大学, 保健管理センター, 特任講師 (90790379)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大学保健 / 性暴力被害者支援 / 性暴力予防教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、全国の大学における性暴力被害者支援の現状と課題を明らかにすることを通して、具体的な支援モデルを確立することである。平成29年度は研究実施計画に基づき、下記の研究を行った。 1.大学生に対する調査結果の発表と論文作成①平成28年度に引き続きアンケートを配布し、10大学の学生計2,724人より572部の有効回答を得た。この結果を9月に大阪で開催された性暴力救援センター全国連絡会にて報告した。②11月に開催された第55回全国大学保健管理研究集会にて「大学生の性被害に関するアンケート調査報告(第1報)を発表し、報告書を執筆した。③12月に開催された第39回全国大学メンタルヘルス学会にて「大学生の性被害経験と精神健康度の関連について」を発表し、論文を執筆した。 2.全国の大学支援機関に勤務する支援者に対するアンケート調査の実施①「性暴力被害を受けた学生の支援に関するアンケート調査票」の予備調査を行い内容を修正した。②全国大学保健管理協会に加入している503校の大学に、計4,840部の調査票を郵送した。 3.島根県の大学生と性暴力被害者支援者に向けた講演会の実施①平成29年12月9日に島根大学において関西大学教授 多賀太先生による「デートDVって何?~台頭で親密な関係を築くために~」と題した講演会を実施し、学生294名、支援者30名の参加があった 4.研究成果の取りまとめと普及啓発①大学生の性暴力被害者を支援するホームページ「大学生のための性暴力救援サイト」を改訂し、カードを追加作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学生に対するアンケート調査では572部の有効回答より、大学生の性被害経験と精神健康度が関連しているという結果を得た。これらを2回の学会で発表し論文を執筆した。全国保健管理研究集会にて優秀演題をいただき、高く評価された。 また、全国の大学学生支援機関に対するアンケートを503大学に配布し、順調に回答が返信されている。さらに平成29年度に予定した性暴力被害に対する啓発講演会を予定通り開催し、多くの参加者があった。
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Strategy for Future Research Activity |
全国の大学学生支援機関に対するアンケートの集計と統計学的検討を行い、平成30年度全国大学保健管理集会、全国大学メンタルヘルス学会で発表し、論文を執筆する予定である。 また、今までの研究結果をもとに、大学生に向けた「性暴力被害にあわれた人のために」というリーフレットを作成し、全国大学保健管理協会や全国大学メンタルヘルス学会の協力を得て、希望された大学に配布する。 さらに大学の学生支援機関に向けて、大学生の性暴力被害への対応事例、被害者支援のためのチェックリスト、地域の性暴力救援センターとの連携についてマニュアルを作成しHP上で公開する。
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Remarks |
「性暴力とは、性暴力被害にあわれたあなたに、回復のためにできること、家族・友人が性暴力被害にあわれたら、利用方法・規約、メール相談、全国の性暴力救援センター」について掲載している。
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