2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of integration of health education into general subjects in developing countries
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16K01762
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹内 理恵 長崎大学, 熱帯医学研究所, 戦略職員 (00623084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 潤 琉球大学, 医学部, 教授 (70225514)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 学校保健 / 健康教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
途上国では健康対策のアプローチ方法として学校保健をベースとした手法が用いられることが多いが、途上国の学校教育のカリキュラムに健康教育が含まれていることは少なく、それを実施するためには課外授業や既存の時間割を割いてあてる必要があり、教師からの抵抗も少なくない。そのため、一般教科の教科書に健康関係の話題を含める等の工夫が必要となる。また、初等教育のカリキュラムに宗教の時間が含まれていることが多く、宗教の教えに沿った道徳的なことや衛生観念なども教えられている場合がある。本研究ではケニア、ニジェール、フィリピンにおける、初等教育で使用される教科書の内容を分析し、健康や衛生に関することがどの程度含まれ、その内容が正確なものかどうか解明し、同時に、各国間の比較を行った。 健康教育が教科としてカリキュラムに含まれていたのはフィリピンだけであり、ケニアとニジェールでは理科の授業に健康に関する話題が含まれていた。またケニア、ニジェールでは宗教の時間がカリキュラムに含まれているが、フィリピンでは課外授業として実施されていた。ケニア96冊、ニジェール30冊、フィリピン28冊の教科書を入手した。ケニア、ニジェールでは理科以外で語学、社会、宗教、市民教育の教科書に健康を題材とした内容が多く含まれていた。ケニアでは教育省が健康に関する話題を一般教科の教科書に含めるよう推奨していたため、特に多く見られた。一方フィリピンでは健康教育が独立した教科となっているため、一般教科に含まれる健康の話題は少なかった。ケニアの教科書においてイスラム教の教科書の方がキリスト教の教科書に比べ衛生観念に関する記述が多く見られた。3か国ともそれぞれの国の状況に即した話題が取り上げられていた。 健康教育の効果を評価するには長期間の観察が必要である。学童への直接的な効果を評価しつつ長期のモニタリングを実施していきたい。
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Research Products
(1 results)