2019 Fiscal Year Annual Research Report
Practical research to improve children's posture at school
Project/Area Number |
16K01763
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井福 裕俊 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (70193638)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 立位姿勢 / 姿勢教育 / 筋力トレーニング / ストレッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
児童生徒の姿勢の乱れは、学校現場にとって解決すべき重要な課題である。本年度は、学校教育活動で立位姿勢の改善のために、姿勢教育を1年間実施したA小学校の効果検証を行った。姿勢教育の柱は、授業中の姿勢指導と全校で取り組んだA小体操であった。さらに体幹トレーニングや静的ストレッチングを組み合わせた教室でも実施できる運動動画をDVD化して配布し、ホームルーム等で実施してもらった。その結果、両脚立位または片脚立位重心動揺の総軌跡長の短縮と股関節内転と外転筋力の双方の向上が見られた。このことから、筋力向上により体のぶれが少ない安定した姿勢が獲得されたことが示唆された。 研究期間全体を通じて、学校教育活動での長期的・継続的な姿勢教育は立位姿勢の改善に有効であることが明らかになった。今回行った授業中の姿勢指導は、子どもの意識を「肩甲骨を引き寄せる」と「骨盤を立てる」の2つに集中させ、良い姿勢を意識させることであった。また、姿勢教育のもう一つの柱であるトレーニングは、姿勢の悪化が筋の緊張(こわばり)と伸張(ゆるみ)によって引き起こされることから、こわばり筋には静的ストレッチングを、ゆるみ筋には筋力(体幹)トレーニングを施すものであった。このように、今回実施した姿勢教育は、姿勢やトレーニングに関する特別な知識を持たない教師でも容易に指導でき、また子どもにとっても分かりやすいものであることから、本研究は学校教育活動の中で共通した認識のもと姿勢教育を実践できることを示したものとして意義がある。
|